スコットランドのグラスゴーで開催される今年のコモンウェルスゲームズ(CWG)。BBCでは、次世代放送を定義していくプロジェクトの一環として、ブラジルW杯に引き続き4K中継放送実験を行う。今回は、グラスゴー・サイエンスセンターでパブリックビューイングも行う。これはCWGの開催に合わせて、BBCスコットランドが主催する公共フェスティバルのイベントとして行われる。
今回もDTT(地デジ)と光伝送の2経由で実験放送を行うが、カメラフィードから配信までIPネットワークだけで行う、初めての試みも実施される。BBC R&DではIPネットワークの放送システムと運用を研究しており、オープンソースのソフトウェア・フレームワーク“IP Studio”を開発し、メタデータを利用、ハイビットレートで低遅延ストリーミング、タイミング/同期、配信構成や制御方法、IPプロダクションの利活用など、IPでライブプロダクションをするための定義を行っている。ライブプロダクションでは、このIP Studioを活用する。
BBC R&Dの伝送システムは専用回線を使わず、既存のバージンメディア・ビジネスの光回線でCWG競技現場とR&D施設を結び、R&D施設からサイエンスセンターまではシスコのスイッチとJoint Academic Networkのインフラを利用し、そしてサイエンスセンター施設内にある4Kテレビへは、既存の超高速ブロードバンドインフラを利用する。
BBCはこの実験放送からも、次世代のIP・DTTハイブリッド放送の在り方を探究していく。
(山下香欧)