ロモグラフィーから、焦点距離20mmのウルトラワイド・レンズ「Russar+(ルサール+)」がこの夏に発売される。Russar+は、1958年にロシア・ゼニット(Zenit)社より発売されたルサールレンズ「Russar MR-2」の復刻版。全て職人の手作業によって製造される。
Russar+のボディは、オリジナルのアルミニウム製から、より強靭で耐久性の有る真鍮を使っている。フロント部の新月型のデザインは、ガラス片をブロック状に切り取り、研磨して型どっていく。半円形で深くくぼんだ形を作り出すには非常に高度な技術が求められ、現在このような手作業を施されるレンズはごく僅かだという。
コンパクトながら4群6枚構成。マルチコートによってフレアと表面反射を減らし、L39とMマウントのアナログカメラに対応するよう、レンズチューブの構造に改良が加えられている。アダプター(別売)を使えば、ミラーレスデジタルカメラにも取り付けられる。
Russar+は0.5m~0.9m、1m~無限大の二つの過焦点距離を持っているため、すばやいショットに役立つという。また被写界深度インジケーターが付いているので、マニュアルフォーカスで過焦点距離の設定が簡単に行える。
ワイドアングルレンズをデジタルカメラで使用すると、カラーシフト(レッドシフト)というデジタル特有の現象が発生するが、これはフリーソフトのCornerFixやPhotoshopで補正できる。
ロモグラフィーでは、視差を修正するRussar+専用のビューファインダーをこの夏に発表する予定。実際に写真に写されるイメージの差異を無くし、20mmレンズが写し出すイメージと近い写り方をするのでフレーミングに役立つという。
Russar+は現在、オンラインにて注文を受け付けている。
主な仕様:
- 焦点距離:20mm
- 絞り:f/5.6 – f/22
- 最小イメージサークル:44mm
- 画角:94度
- フランジバック:27.8mm(ライカMマウント)、28.8mm(L39マウント)
- Mマウント繰り出し部分高さ:28mm
- 最短距離:0.5m
- フィルター径:49mm
- ディストーション:~0.09%
(山下香欧)