韓国SKの子会社SKブロードバンドと、KTの子会社Skylife(スカイライフ)が、4K対応STBで市場の先取り効果を図る戦略を立てている。
SKブロードバンドは来月中旬に4K対応テレビSTBを発売し、4K IPTVサービス「B tv UHD」を開始する。専用STBではPIP機能と音声検索サービスを実装した点が大きな特徴だという。PIP機能は、VOD放送視聴中に画面の右下にリアルタイム放送を小さなウィンドウに同時表示できるようにしたもの。
一方、KTのスカイライフは年末商戦をかけて4K対応STBを発売する予定。現在は年末に合わせて検証を進めているというが、業界の関係者達は、発売時期は業界対抗馬の動向やビジネス戦略に応じて時期を変えることは可能と予測し、スカイライフが一定の調整をかけてくる可能性が高いとみている。
韓国内の消費者は指定された専用TVと番組というセット限定された環境で4K視聴をしているが、これから各関連メーカーが4K STBを発売してくることで、更に4K放送チャンネルが拡大してくると予測している。加えてサムスン電子とLG電子の4K TVの販売も一層弾みがつくものと期待される。
実はSKブロードバンドとスカイライフの両社共、経営実績は減少気味だ。SKブロードバンドは、過去2四半期の売上高が6559億ウォンを記録し、前年同期比7.1%上昇したが、営業利益は118億ウォンにとどまり、21%縮小している。スカイライフも同じ期間の売上高が1548億ウォンで5%増加を記録したが、営業利益は5.8%減少した。
4K市場の活性化により、SKブロードバンドとスカイライフの親会社からの支援は大幅に行われるものと見られており、SKテレコムはSKブロードバンドとのコラボレーションにより、統合商品開発と4K拡散に対応する方針、KTではメディア事業を新成長動力源として期待して、グループとのシナジー効果を狙っている。
4K市場の活性化といえば、放送通信委員会では、UHDの生態系造成のための未来創造科学部と協力して、地上波放送を含むUHD放送活性化政策案を用意して、視聴者福利などの次元で多チャンネル放送(MMS)の来年実施を検討する方針である。
(山下香欧)