JPEG、DPX、IMFからXAVC、HAVC、SD/HD/4Kやモバイル配信フォーマットと、ディアプロダクションで混在するメディア形式。配給先から来たコンテンツを再生する術がない、外注した映像やこれから納品する映像の品質を確認したい、メディア変換対応を広げたい、といった悩みに応えられるツールが揃ったパッケージが米Archimedia(アーキメディア)からIBC2014で初公開される。
ビデオとオーディオファイル、そして字幕・キャプションデータの個々のタイムコードを完全に同期させて再生できるプレイヤーとして知られるMaster Playerに、波形モニター(WFM)とベクトルスコープ(VS)がプラグインとなった。従来の計測器として編集卓に別機材として揃えられていた映像信号監視ツールがプレイヤーに加えられたことで、1台のワークステーションで収まることに加え、作業するなかで様々な利便性を生む。
Adobe Premiere Proなど編集ツールにもWFMとVSは装備されている。これら編集機などで作業したメディアファイルを、納品する前にプレイヤーで再生して品質確認を行う際に二重チェックできる。
プレイヤーではCTL/TCRでの確認ができ、再生するメディアファイルの両タイムコード値がずれていればNGだ。ファイルのメタデータが確認できるのも便利。CTL/TCRをはじめ、ビデオ・オーディオのコーデック形式からサンプリングレート、ビットレート、色情報、ドロップフレーム等まで、場合によっては編集機のモデルまで書き込まれている。
またプレイヤーで対応できるファイル形式であれば、次への作業に手渡す前にロスレス非圧縮のデータに変換できるツールも加えられた。オリジナルのメディアファイルから切り出した部分のみ、非圧縮データに変換することも可能。ファイル変換システム(トランスコーダー)側でラッパーをほどいてビデオとオーディオエッセンスを復号化する負担をなくせる上、今まで対応できなかった入力ファイルフォーマットの悩みを解消できる。これら新ツールは全て、米国のオンラインビデオサービスやプロダクション市場の既存ユーザーからの要求だったという。
QuSeeスイートは既にリリースされているが、国内価格は未定。アーキメディアのワークステーションシステムにはMaster PlayerがQuSeeスイートとしてオールインワンで同梱される(キャンペーン期間のみ)。
(山下香欧)