Blackmagic Designの発表によると、中国湖北省十堰市の地方放送局であるShiyan TVが、同局のメインプロダクションスタジオで使用するメイン/バックアップのスイッチャーとして、ATEM 2 M/E Production Studio 4KおよびATEM 1 M/E Broadcast Panelを導入したという。
2007年に建設されたShiyan TVのメインプロダクションスタジオでは、Shiyan TVの看板ニュース番組「Live Shiyan」が制作されている。Shiyan TVは、プロダクションシステムにバーチャルスタジオとオンライングラフィック制作を導入し、クリエイティビティを向上させ、スタジオシステム全体の信頼性を強化するため、同番組の放送用プロダクションスタジオシステムをアナログからデジタルに更新した。
新しいスタジオシステムの中核を担うのは、ATEM 2 M/E Production Studio 4KスイッチャーとATEM 1 M/E Broadcast Panel。同システムでは、カメラ、バーチャルスタジオシステム、オンライングラフィックシステム、メディアプレーヤー、編集システムからのフィードがミックスされる。さらにShiyan TVは同システムで、Smart Videohubルーター、HyperDeck Studio Pro放送用デッキ、DeckLinkカード、Mini Converters、SmartView Duoモニターも使用している。
Shiyan TVの新スタジオシステムの設計・導入をサポートしている、武漢市を拠点としたVijita Technology Co., Ltd.のテクニカルマネージャー、ワン・ウェイ氏は次のようにコメントしている。
ウェイ氏:ATEM 2 M/E Production Studio 4Kは完結型ソリューションなので、システムの設計がシンプルになります。例えば、オーディオミキサーが内蔵されているので、オペレーターはメインまたはバックアップのミキサーを外部からインストールせずに、ビデオやオーディオのミックスやコントロールが可能です。おかげで使用する機材の数も少なくなり、オーディオやビデオのマッチングが上手くいかずにエラーが生じる可能性も低くなります。
放送中は、グリーンバックのフィードがバーチャルスタジオとATEMスイッチャーに送信される一方、ATEMスイッチャーのクロマキーヤーがバーチャルスタジオシステムのバックアップとして使用される。バーチャルスタジオシステムに不具合があった場合、オペレーターはクロマキー機能を使用してキーイングや合成などが行えるという。
また、ライブ放送の安全性を確保するために、2台目のATEM 2 M/E Production Studio 4Kがバックアップスイッチャーとして使用されている。
ウェイ氏:費用が高くなるので、多くの放送局はバックアップ用にプロダクションスイッチャーを使用できません。その場合、メインスイッチャーに不具合が生じた際には代わりにビデオルーターを使用するんですが、スイッチングの際にフラッシュなどが生じてしまいます。ATEM 2 M/E Production Studio 4Kは、ライブプロダクションに必要な機能をすべて搭載しているにも関わらず低価格なので、私たちはバックアップ用にATEMスイッチャーをもう1台配備し、安全性をさらに高めるためにSmart Videohub 16×16も追加できました。
新システムでは、ATEM 2 M/E Production Studio 4Kのプログラム出力が2つのフィードに分けられる。1つはDeckLink SDIカードを搭載したコンピューターに送信されてマスターがキャプチャーされ、もう1つはバックアップのマスタリング用にHyperDeck Studio Pro SSDレコーダーに送信される。
Mini Converter SDI to Analogはプログラム出力のアナログ変換に使用され、ニュースキャスターの前方に置かれたアナログモニターに対応している。Mini Converter SDI to HDMIは、ATEMスイッチャーAux出力からのバーチャルスタジオSDI信号のHDMI変換に使用され、ニュースキャスターは自身の映像をバーチャル環境で確認できる。また、SmartView Duoモニターも2台インストールされており、バーチャルスタジオシステム用のキーおよびフィル信号のモニタリングが行われている。