「DOCTORS 3 最強の名医」 ©テレビ朝日
Blackmagic Designの発表によると、テレビ朝日の連続ドラマ「DOCTORS 3 最強の名医」のオープニングムービーの撮影にBlackmagic URSAおよびBlackmagic Production Camera 4Kが使用されたという。撮影を担当したのは、東京・西麻布のヘルメット株式会社。
「DOCTORS」は、堂上総合病院を舞台に数々の才能ある医師、外科医、そしてナースたちが繰り広げるドラマ。その最新シーズンのオープニングタイトルの撮影にヘルメットが選定したのがBlackmagic Designのカメラだ。
オープニングムービーは沢村一樹演じる、主人公の相良浩介医師が鏡の中を歩いていくと、鏡が粉々に割れ、その鏡に包まれるという内容。「鏡の中の世界」を表現するため、メインカメラで実像を撮影すると同時に、鏡に映る虚像の撮影も行う必要があった。撮影には3台のカメラが投入され、そのうちの2台がBlackmagic URSAとBlackmagic Production Camera 4Kだった。それらのカメラは合成用の素材となる、鏡に映る虚像を撮影するために使用された。
ヘルメットの撮影監督である千葉孝氏は次のようにコメントしている。
千葉氏:Blackmagicのカメラで撮った虚像の素材は主に合成用です。こういったケースでは本来なら、すべて同じカメラを揃えるのが原則です。しかし、今回は事前テストでBlackmagicのカメラのRAW素材が、実像を撮影するカメラのRAW素材に非常に近いところまでグレーディングで追い込めるとわかっていたんです。また、鏡の中の虚像という設定のため、多少ルックの違いがあっても、それを演出的に利用できると判断しました。
「DOCTORS 3 最強の名医」 ©テレビ朝日
千葉氏:設定メニュー階層が深くないので、わかりやすいですね。撮影現場では、時間に余裕がないことが多いため、メニューが複雑になるとイライラするだけでなく、時にはそれが致命的なトラブルの原因になることもあるんですが、Blackmagicのカメラは画面上でグラフィックを多用し、わかりやすいインターフェースです。
URSAの最大の特徴は10インチのモニターです。このモニターは視認性が高く非常にクリアで明るい。今回のようなスタジオ撮影以外でも、ロケ撮影でも威力を発揮できるでしょう。また、それ以外にも側面に2面のタッチスクリーンがついていて、それぞれのモニターをテクニカルスタッフに割り当てたデザインになっているので、カメラの担当は左側面、オーディオ担当は右側側面に配置されたスクリーンで設定したり確認したりできるので、合理的だと感じました。
「DOCTORS 3 最強の名医」 ©テレビ朝日
撮影されたデータは、DaVinci Resolveを使って変換された。DaVinci Resolve上に、3種類のカメラからのファイルそれぞれのタイムラインを生成し、BlackmagicカメラのCinema DNGファイルに対し、BMD Film LUTを当て、プライマリーカラーコレクションを行った。さらに、実像素材であるR3Dファイルとのマッチング作業を行い、コンポジットへ渡すためにProRes 4444にレンダリング生成した。
千葉氏:ファイルの汎用性と機動性、そして解像感という点においてBlackmagicの製品は非常に魅力的です。特にLogで収録された映像は諧調も豊かで自由度が高い印象があり、今回のように他のカメラとのカラーマッチングも問題ありません。4Kムービーカメラの位置づけとして比較的安価な価格帯でありながら上位機種に迫る性能があり、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。