Blackmagic Designの発表によると、マシュー・ボーン監督の新作映画「The Secret Service(原題)」のフィニッシングにDaVinci Resolveが使用されたという。この作業を担当したのは、Goldcrest Postのロブ・ピッゼイ氏。同作品では、コリン・ファース、サミュエル・L・ジャクソンらが、英国のスーパースパイの世界を演じている。

マーク・ミラー氏、デイブ・ギボンズ氏共作で、20世紀フォックスによる2012年のコミック「Kingsman:The Secret Service」は、歪んだ天才科学者による世界的な脅威が押し寄せる中、未熟だが将来が期待できるストリートキッズを競争的なトレーニングプログラムに採用する超秘密スパイ組織の物語。

ピッゼイ氏:ジョージ(リッチモンド撮影監督)とは一緒に仕事をしたことがあったので、彼が撮影前に映画のルックを作り上げ、それらを制作段階でも使用したいことは分かっていました。Kingsmanでは、約25種類のLUTを作り、それらをオンセットでのモニタリングやデイリーに使用しました。おかげで、デイリーのルックがジョージの求めていた最終的なルックと全く同じであると確信して作業を進められました。そしてDITのジョシュア・カリス・スミス氏とも調整を行い、彼のモニターと私たちがDIシアターで見ているモニターをマッチさせました。作成したデイリーは素晴らしく、バランスも取れていたので、編集室でシーンをマッチさせるために色を合わせる必要はありませんでした。最終的なDI作業に入っても、驚きはまったくありませんでした。どのようなルックの映画になるかを、全員が知っていたからです。

DaVinci Resolveを使用して、ルックを調整し、フレームの小さい部分を分離して、ジョージが作り上げていた雰囲気を強調しました。この映画の最初の2つのシーンは、残りのシーンより何年も前の設定でした。したがって、役者たちが若く見えるように、様々なテクニックを駆使してアンチエイジングを行う必要がありました。また、全体を通して、彼らのラインの除去、美しく見えるための修正など、かなりの量の作業が必要でした。これら作業はすべてDaVinci Resolveで行いました。リアルタイムで、状況に応じて調整できるので、グレーディングの最終日まで各ショットを柔軟に調整/修正できました。

私たちのワークフローは、コンフォームや最終的なオンライン編集を含め、DIプロセス全体でDaVinciResolveを使用することを基本としています。DaVinci ResolveをDIプロセスのすべての段階で使用することで、非常に高い柔軟性が得られます。ショットのレンダリングや最終決定は、完全にサインオフするまで必要ありません。特に、DaVinci Resolveのマルチレイヤー/合成機能によって、ヴァレンタインの工場で使用される合成を含め、ヘッドアップディスプレイ(HUD)ショットや縦方向の複雑なワイプなど、合成ショットの各部分を個別にグレーディングできるんです。