今年のNABではUHDがキーワードの一つとして掲げられている。次世代放送で世界の先を行く日本から代表者が講演するセッションがいくつか設けられている。展示会開幕初日13日には放送技術カンファレンスの一連で、「Japan’s Initiative of UHDTV to 2020」と題するセッションが行われる。場所はサウスホール2階の会議室S219、10時30分から行われる。
登壇するのは、次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)から技術委員会の主任を務める中田仁成氏。NexTV-Fの技術委員会は、主に技術検証、実証計画策定やシステム設計、UHDTVの技術仕様の標準化を担当している。中田氏は1991年に放送エンジニアとしてNHKに入社し、同技術局にてデジタル衛星/地上波ハイビジョン放送の実現に取り組んだ実績を持つ。
中田氏からのプレゼンテーションでは、総務省が示した4K/8K放送実現と普及へ向けたロードマップと、関係者業界が集結して発足した推進体制NexTV-Fについて紹介。最初のロードマップから各マイルストーンを2年前倒しにした新ロードマップとして、2018年に8Kスーパーハイビジョン放送の開始、そして2016年にCSに加えBS放送で4K/8K試験放送を実現するために進めている現在の活動内容なども含まれる。また、4K試験放送での放送エコシステムとして、コンテンツプロダクションからエンコード、送出から伝送プラットフォームについて、そして2016年内に実施を予定している4K/8K試験放送に向けての技術仕様策定についても紹介する。
さらにNexTV-Fのプレゼンテーションに続き、ハイブリッドキャストをベースとした8Kスーパーハイビジョン衛星放送について、NHK放送技術研究所の竹内真也氏から、12日には「UHDTV Roadmap for Ultimate 8K from 4K」と題して、NHK放送技術研究所の黒田徹氏のプレゼンテーションも行われる。両セッション受講には、Conference FlexパスかSMARTパスが必要。
(山下香欧)