フィンランドの通信機器大手であるノキアが、同業者であるフランスのAlcatel-Lucent(アルカテル・ルーセント)を156億ユーロ(約2兆円)で買収する。数日前にブルームバーグが買収交渉を進めていることを報じたことを受け、両社は15日に正式的な声明を行った。

買収価格は156億ユーロ(165億8000万ドル)で、全て株式交換方式で行う。ノキアはアルカテルの株主に対し、1株につき新会社の株式0.55株を割り当てる。これにより出資比率はノキアが66.5%、アルカテルが33.5%となる。経営統合は2016年上半期に完了するとしている。今回の買収により、時価総額400億ユーロ、従業員数11万4000人という、大規模通信機器企業が誕生する。

アルカテルは、2006年に仏アルカテルと米ルーセントが合併して誕生した通信サービス企業。通信業界最大規模の研究機関であるBell Labs(ベル研究所)を保有し、世界130カ国以上で事業を展開している。

買収完了後の社名は「Nokia Corporation」になる予定。ノキアはフランス国内のアルカテル側のベル研究所などの研究開発拠点および人員数を維持するとし、Nokia Solutions and Networks(NSN)と先端技術の強化を図っていく。ノキアはまた、地図サービス部門のHEREの売却を検討中であることも明らかにしている。

新会社はワイヤレス通信機器市場で40%を占めるスウェーデンのエリクソンに次いで、35%のシェアをもつ第2位の存在になる。

(山下香欧)