HDR対応8K液晶ディスプレイの外観

NHKは、2015年9月11日(金)~15日(火)にオランダ・アムステルダムRAIにて開催される放送機器展「IBC 2015」に出展する(ホール8/ブースNo.G03)。

同社ブースで展示予定の85V型8K液晶ディスプレイは、NHKが従来に引き続きシャープと共同で開発しているもの。スクリーンのサイズは約190cm×105cm。解像度は7,680×4,320ドット、フレーム周波数は60Hz(表示120Hz)。階調はRGB各色12bit相当で輝度は1,000cd/m2以上、コントラスト比は10万:1以上。現在のBT.2020色域に対する包含率は77%である。

150904_8kHDRComp 写真左:従来映像、写真右HDRの映像
NHKではHDRを、「テレビが表現できる映像の明暗の幅を拡大する技術」と説明する。昼間のサッカー中継で見えにくくなる日陰・ひなたの明暗差の大きいシーンや、ガラスや金属に反射した光による明るい場面などをより忠実に再現することができる
150904_EBU

NHKは英国放送協会(BBC)と連携し、従来のテレビジョン方式と互換性のあるHDR方式を技術開発している。IBC会場では、EBUのブースにてNHKとBBCがライブHDR映像を、従来のHD SDRディスプレイとHDR対応ディスプレイで再現する技術出展を行う。これには2社が共同で技術設計を行っているHybrid Log Gamma(HLG)システムを用いている。

ライブプロダクション側や従来のHDディスプレイに再現する際に、オリジナルソースからのメタデータを利用しない方法で、端末の条件に合わせて表示させられる。異なる輝度の画面間や異なるメーカーの相互運用性を可能にすることで、将来のHDRを取り込んだ放送環境に適すると注目されているHDR技術の1つである。

(山下香欧)