テクニカラーは今月15日、ハイエンドクラスのVFXスタジオThe Mill(ミル)を2.93億ドル(約353億円)で買収することを発表した。買収条件については、買収金額以外は明らかになっていない。

ミルはテレビCM制作でのVFXを中心に、ハリウッド映画のVFXを手掛けており、ロンドンを本社にニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴにスタジオがある。テレビCMのクライアントにはアウディやSSE、DirecTVがおり、2000年に公開されたリドリー・スコット監督「グラディエーター」のCGI制作でアカデミー視覚効果賞を受賞している。現在の雇用人数は約800人、2014年の収益は前年比16%アップの1.52億ドル。

テクニカラーにミルが融合すれば、制作サービスの収入はエンターテインメント部門全体の収入の40%を占めるようになるという。テクニカラーはミルの買収について、興技術の展開を加速するため、また視覚効果技術で市場の地位を向上させるという2020年までの戦略的目標(Drive 2020)を進めるために、ミルの買収を実行したと発表声明文で説明している。同社のDrive 2020のロードマップには、映画からテレビ、広告と全てのセグメントにおいて視覚的効果とデジタルクリエーションにフォーカスすることが含まれている。

(山下香欧)