Blackmagic Designの発表によると、LAに拠点を置くVFXスタジオMuse VFXが、El Rey Network and Miramaxの人気番組である、TV版「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のVFXにFusion Studioを使用したという。

TV版「フロム・ダスク・ティル・ドーン」は、ゲッコー兄弟を軸にストーリーを展開。ロバート・ロドリゲスとクエンティン・タランティーノによる同名のホラー映画をさらに進展させたストーリーとなっている。同番組では、犯罪が横行し不死身の吸血鬼が跋扈する世界が描かれており、吸血鬼の変身シーンや血しぶきが上がるシーン、さらに吸血鬼の生贄を描くシーンなどを作成するため、Muse VFXはFusion Studioと、Fusionのマルチユーザー管理ソフトウェアであるGenerationを中心とした制作パイプラインを構築した。

Muse VFXの創始者であり、VFX監督でもあるフレッド・ピエンコス氏は次のようにコメントしている。

ピエンコス氏:毎回のエピソードで劇場映画と同等のクオリティが求められます。迅速で拡張性に優れたFusionは、スピーディーなレンダリングと処理機能に対応し、最高品質の作品を作り出してきた長年の実績があります。今日のポプトプロダクション・スケジュールのニーズに対応するためには、使用するツールがこのような生産性と直感性を備えていることが不可欠です。

ハリウッドに拠点を置くMuse VFXは、少数精鋭のアーティストによって運営されている。大規模な作品であっても、大人数のチームで取り組むことはない。Fusionのカスタマイズ機能を駆使してVFX処理の共同作業とスピードアップを図っている。Fusionを使用すれば、まずエフェクトをデザインして、その後ノード、マクロ、エレメントをチームおよびプロジェクト内で効率的に振り分けることがで、すべてのショットで高品質と一貫性を保持できるのだ。

Muse VFXの創始者であり、クリエイティブ・ディレクターであるジョン・グロス氏は次のようにコメントしている。

グロス氏:優れた特殊効果とビジュアルエフェクトのコンビネーションは、常に最高の結果を生み出します。TV版「フロム・ダスク・ティル・ドーン」では、吸血鬼のルックスのデザインに関して、メイクアップFXのチームが素晴らしい仕事をしてくれました。Fusionを使用する作業の一つに、現実と超常現象を織り交ぜた人間から吸血鬼への変身シーンを、シームレスかつリアルに描写するという作業があります。

ピエンコス氏:また、画面上で血を作成することも私たちの仕事でした。ホラー作品の根幹において、「血」は物語の展開で大きな役割を果たします。わずかな量でも、大量の血しぶきでも、そのルックにシリーズを通してリアリティと一貫性が求められるのです。常に正確なカラーを作成する必要がありましたが、Fusionを使用すれば、環境や照明条件の違いに関わらず、常に私たちが求めるクリムゾンの血を実現できました。