キヤノンは、2/3型センサーを搭載した4K放送用カメラに対応する光学性能を持つポータブルタイプのズームレンズとして「CJ20e×7.8B」を2016年6月下旬より発売する。希望小売価格は税抜360万円。以前2016年上期に製品化を目指していると報道発表していたもの。
CJ20e×7.8Bは、焦点距離広角端7.8mmから望遠端156mm、最至近撮影距離0.80mで、20倍のズーム倍率を備え、本体サイズ約幅169.9mm×高さ114.4mm×長さ230.0mm、質量約2.18kgと、小型・軽量設計の4Kポータブル広角ズームレンズ。レンズのコーティング技術や鏡筒内面の遮光設計技術は、同社独自のシミュレーション技術を活用し、ゴーストやフレアの発生を抑制している。従来のHDTV放送用レンズとしても使用可能だ。
2倍のエクステンダーをレンズ本体に内蔵しており、ワンタッチのレバー操作でズーム域を7.8~156mmから15.6~312mmへ切り換えが行える。エクステンダー使用時でも、4K放送用カメラに対応する高い光学性能を保持。ドライブユニットには、ズーム・フォーカス・アイリス位置情報を正確に検出するエンコーダーを内蔵し、バーチャルシステムへ位置情報を伝送することにより、実写映像とCGを合成する際の位置合わせ作業の簡略化と、バーチャル映像の制作が可能だとしている。
ドライブユニットに電源が供給された際には、レンズの位置情報をカメラに伝送し、カメラ側の収差補正機能に対応。初期化の動作を行わず、立ち上げと同時に撮影が行える。また、20PIN端子を3カ所に備えることで、ズーム/フォーカスコントローラー(別売)の両方を使用した場合でも、バーチャルシステム用信号出力端子を確保することが可能。フォーカスとズームの電動サーボ操作では、既存の同社製コントローラーが使用できる。