キヤノンは、同社の業務用HDビデオカメラ「XA25/XA20」の後継機種となる「XA35」「XA30」を2015年12月上旬より発売する。希望小売価格はどちらもオープン。同社オンラインショップの販売予定価格は、SDI端子搭載モデルのXA35が税抜235,500円、SDI無しのモデルXA30が税抜199,750円。
XA35/XA30は、集光効率を高めた同社新開発CMOSセンサー「HD CMOS PRO」の搭載により、従来機種に比べ低照度下のS/N比が3dB向上し、約40%のノイズ低減を実現。広角26.8mmから望遠576mm相当の光学20倍ズームレンズを搭載し、EFレンズの技術を応用した、8枚羽根の円形絞りを採用している。最至近撮影距離はズーム全域で約60cm。高感度のCMOSセンサーと、光学20倍のズームレンズ、映像処理プラットフォームDIGIC DV 4を組み合わせることで、最低被写体照度1.2luxの暗いシーンでも、ノイズの少ない滑らかな映像を撮影可能だとしている。
別売りのハンドルユニットHDU-1を装着することで、暗闇で白黒撮影を可能にする赤外撮影(IRモード)に対応。CMOSセンサーの感度向上にともない、従来機種に比べ約1.4倍の明るさで撮影可能だ。5軸(回転軸・水平回転軸・縦回転軸・上下・左右)の手ブレを補正するダイナミックモードを搭載し、歩きながらの撮影でも画像の揺れや歪みを軽減し、安定した映像撮影可能だ。
新記録モードとして、「高輝度優先」と「Wide DR」を搭載。高輝度優先は、これまで圧縮されて表現できなかった、青空や雲の立体感、水の透明感、金属の光沢感など中高輝度領域の階調性、色再現性、鮮鋭感を向上させ、目で見たような映像表現が可能。Wide DRは、CINEMA EOS SYSTEMの技術を生かし、ダイナミックレンジを従来機種の300%から600%に拡大することで、明暗差が激しく白とびが発生しがちな撮影現場でも、白とびを抑えながら色彩の階調性が滑らかな映像を撮影可能。
ピクチャー設定でルックを追加し、高輝度優先を設定
本体サイズは、両機種とも幅約109mm×高さ84mm×奥行182mm(グリップベルト含まず)で、質量はXA35が約775g、XA30が約770g(グリップベルト含む)。 記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードを採用しており、記録方式はAVCHDとMP4の2種類で、1080/60pにも対応。Wi-Fi対応の無線送信機能搭載により、撮影した映像を携帯端末やパソコンなどに送信できるほか、携帯端末でリアルタイムにズーム操作や、録画の開始・停止などのリモート操作が行える。また、無線ネットワークは2.4GHz帯域のほか、屋内では5GHz帯域にも対応している。0.4倍から最大1,200倍速の「スロー&ファストモーション」を搭載。画面上には選択した倍率の撮影時間と、再生される際の時間が表示され、倍速の効果を確認できる。