キヤノンは、同社のパワープロジェクターシリーズの新製品として、4Kデジタルシネマ(4,096×2,160)を上回る4,096×2,400画素の解像度に対応した5,000lmのLCOS液晶プロジェクター「4K500ST」を2016年4月中旬より発売する。希望小売価格はオープンで、市場想定価格は税抜600万円前後。
同プロジェクターは、4K解像度に対応した短焦点ズームレンズを新たに開発し、4,096×2,400画素の高解像度LCOSパネルと同社開発の高性能映像エンジンを搭載したプロジェクター。高速画像処理技術により、毎秒60フレームの4K動画を投写でき、最適なアップスケーリング処理を図ることでフルHD映像を4K映像として投写可能。F値2.6の被写界深度の深いレンズの採用と、独自の光学システム「AISYS(エイシス)」により、光源からの光を縦方向と横方向に独立して制御し、明るさの向上と小型化を図ることで、5,000lmの高輝度と、本体サイズ約幅470mm×奥行533.5mm×高さ175mm、重量約17.6kgの小型軽量化を実現。
12群16枚からなる新開発の短焦点ズームレンズは、外径79mmの研削非球面レンズを含む大口径非球面レンズ2枚、UDガラス2枚を採用。短焦点ズームレンズにより、100型スクリーン(幅2.2m)に最短2.2mから最長2.9mの範囲で投写が可能。ドーム型スクリーンなどの曲面に光学的にピントを合わせる「周辺フォーカス」機能を搭載しており、100型投写時に平面から曲率半径3mまで凹面凸面ともに、光学的にフォーカス調整が行える。レンズ開口部には、同社のLレンズに象徴される赤いラインが施されている。
新開発の短焦点ズームレンズは、Lレンズを象徴する赤いラインが施されたデザイン
複数のプロジェクターの映像をつなぎ合わせて投写するエッジブレンディング機能により、隣り合う映像のつなぎ目の明るさを調整し、滑らかな大画面投写が可能。サブピクセル補正機能により、画素単位より小さな色ずれを0.1画素単位で電気的に補正する。ユーザーの調整した5点を元に、ズームやレンズシフトを加味して色収差を最適に補正する5点調整ができ、より詳細なマニュアル調整により、映像を9×6の格子で表した格子点54点を色別に調整可能。また、動画の視認性を向上するモーションブラーリダクション機能を搭載しており、動画再生時に文字を鮮明に読み取ることができ、強弱の調整により最適な画質調整が可能だ。
映像入力の接続端子はDVI-D×4、HDMI×2を装備
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上下方向±60%、左右方向±10%のレンズシフトが可能。投写レンズの位置情報の設定を記憶するレンズポジション機能や、光学内部の機械的な絞りを駆動し、光が通過する開口部の面積を可変するアイリス機能などを搭載している。