Blackmagic Designの発表によると、ラテン・グラミー賞を受賞したブラジルのシンガーソングライター、イヴェッチ・サンガロの新しい360°のバーチャル・リアリティ・ミュージックビデオのグレーディングにDaVinci Resolve Studioを使用したという。グレーディングはO2 Filmesが担当した。2015年12月、イヴェッチ・サンガロは10年以上ぶりにミュージックビデオ「O Farol」をリリースした。

O2 Filmesは、ブラジル国内最大の制作/ポストプロダクションハウス。彼らの手がける様々な映画、テレビ番組、コマーシャルなどは世界中で放映されている。O2 Filmesのポストプロダクション統括マネージャーであるパウロ・バルセロス氏の監督の下、ポスプロチームはO2 Filmesが手がけるすべての作品で使用されているカラーグレーディングツール、DaVinci Resolve Studioを使用して、2週間で同ミュージックビデオを仕上げた。バルセロス氏は次のようにコメントしている。

バルセロス氏:360°のビデオを撮影するために4台のカメラを使用したのですが、その結果、素材が膨大な量になり、ポスプロでの作業が遅々として進みませんでした。DaVinci Resolve Studioのネットワークレンダリング機能を使用して、フッテージを複数のコンピューターに分割できたのはとてもラッキーでしたね。

この機能がなければ各フレームのレンダリングに5分かかったと思います。DaVinci Resolve Studioのおかげで作業のスピードが大幅にアップしたので、2週間という厳しい締め切りに間に合ったのです。

また、DaVinci Resolve Studioを使用したことで、O2 Filmesは4台のカメラで撮影したフッテージをシームレスにマッチできたという。DaVinci Resolve Studioのカラーマッチ機能を使うと、4台のカメラで撮影したショットを自動的にバランス調整できるため、各アングルのショットは完璧に繋げられて360°の映像が完成した。

バルセロス氏:カメラをマッチさせる自動バランス機能は非常に素晴らしいですね。1つのショットから別のショットへカットしているわけではなく、ショット間の違いが明らかだったので、この機能は非常に役立ちました。

視聴者がイヴェッチ・サンガロと一緒にセット内にいるような気持ちにさせるVRミュージックビデオを作成するために、O2 Filmsはフラットなイメージで作業を行い、後から360°のフッテージにする必要があった。このため、一般的に使用されている標準のアスペクト比ではなく、ミュージックビデオとしては異例のアスペクト比となったが、DaVinci Resolve Studioはこのアスペクト比を問題なく扱うことができた。

バルセロス氏:DaVinci Resolve Studioの優れた点は、どんな問題をぶつけても解決してくれるということです。これまでO2 Filmesのプロジェクトで、DaVinci Resolve Studioで扱えなかったものはありません。無償の仕事でも、百万ドルのプロジェクトでも同じです。カラートラッカーとクロマキーは素晴らしいの一言ですが、どちらの機能も今回のミュージックビデオで重宝しました。

O2 Filmesは現在、「O Farol」ミュージックビデオのフラットなバージョンを手がけている。これは、テレビや360°ビデオに対応していない配信プラットフォーム用に配信される予定だ。

サンパウロにあるO2 Filmesの制作スペースは、8,500平方メートルと広大だ。ここに70台を超えるDaVinci Resolve Studioがあり、カラーグレーディングや編集に使用されている。O2 Filmesの膨大なクライアントリストには、世界をリードするフリーランスのエディターたちが注目する、トップクラスのプロジェクトが数多く含まれている。