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NTTドコモは、災害対策に向けた取り組みの1つとして、携帯電話基地局を利用した「津波監視システム」を3月4日から現地実証の運用を開始した。
この「津波監視システム」は、全国16か所の携帯電話基地局に津波発生時の沖合の様子を監視するカメラを設置し、遠隔でカメラを操作して、沖合10kmの海面状態や基地局の通信設備の被災状況を確認できるようになっている。津波による被災状況などを映像でリアルタイムにNTTドコモのネットワークオペレーションセンターで把握することで、基地局などの早期復旧を目指すもの。
このシステムでは、基地局に富士通の監視カメラ、およびネットワーク装置、ネットワークオペレーションセンターには映像管理を行うためのサーバやネットワーク装置が採用され、映像の収集から蓄積・管理、暗号化、端末配信まで包括してサポートできる映像監視プラットフォームが組み込まれている。監視カメラは、360度回転、36倍ズーム機能を持ち、太陽光パネルを用いた独自電源及びマイクロ装置で災害発生時においても監視を継続して行うことができる。センターでは、リアルタイムに映像の表示・監視を行い、過去1週間分の映像を常時収録(録画)もできるようになっている。現在、神奈川県三浦市、三重県志摩市など4か所に設置されており、残り12か所は2016年度内に順次設置する予定という。
(山下香欧)
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