株式会社Viibar(ビーバー)は、ソニー社製品を使用して作品制作を行ったクリエイターとソニー社による座談会を2016年3月23日に東京・目黒の同社にて開催した。
動画制作クラウドViibarは、「動画×ITで人々のコミュニケーションを豊かにする」というテーマのもと2013年10月よりサービス開始。Viibarを活用することにより、クリエイターはどこでも自由にクラウドで制作に取り組むことができ、クライアントはリーズナブルな価格で動画制作が可能だとしている。
Viibarは2015年10月より3ヶ月間の期間限定で、2,500名超のクリエイターに作品の品質改善及び技術力の向上を積極的に支援する事を目的とし、ソニー株式会社の協力を得てデジタルシネマカメラ「PXW-FS7」と、ミラーレスカメラ「α7」シリーズの無料貸し出しを行った。今回、同キャンペーンで実際にソニー社製品を使用したクリエイター達と、ソニーの商品企画や商品設計の担当者が直接ディスカッションができる場が設けられた。
登壇者
(写真前列、左から)
- SHIN-YU(シンユー)ENTERTAINMENT 月足直人氏
- ディレクター 三好翔氏
- 株式会社ファンユージュアル 代表取締役 大野佑太氏
- RANA007 モーショングラフィックデザイナー 三好萌加氏
(写真後列、左から)
- 株式会社Viibar 高橋俊輔氏
- ソニー株式会社 商品企画部門・商品企画1部 関玲二氏
- ソニー株式会社 ソフトウェア技術第2部門・プロジェクトマネジメント2部 森本哲雄氏
- ソニービジネスソリューション株式会社 営業・マーケティング部門 マーケティング部 CCシステムMK2課 入倉崇氏
実際に使用した感想
三好翔氏
三好翔氏:今回FS7の購入を考えていた時に、Viibarのキャンペーンを知り実際にFS7を使用してみましたが、やはりいいカメラだなと思いました。ハンドル部分が持ちやすく、ワンマンオペレーションでも使用できるのがよかったです。ただ、そのまま平置きできない点は少し現場で怖いなという印象があります。
株式会社ファンユージュアル 代表取締役 大野佑太氏
大野氏:前々からFS7とFS5の存在は知っていたのですが、高嶺の花的な感じでなかなか手が出ませんでした。今回のキャンペーンで無料で借りれて、ちょうどViibarさんから案件をいただいていたので、4Kでも収録しようと思いました。
画質的には申し分なく素晴らしいなという印象です。4KのS-Log 3で撮影したのですが、グレーディングの色ものりやすくて、画質的にも他社の4Kカメラとは違う深みのある画質だなと思いました。ワンマンオペレーション、トゥーマンオペレーションが多いので、撮り回し的にはFS5の方が個人的に使いやすかったです。
RANA007 モーショングラフィックデザイナー 三好萌加氏
三好萌加氏:私は学生時代にFX1やFX1000、Z5Jなどを使用していました。今回FS7をお借りしましたが、Z5Jと同じようなボタン配置で使用しやすく、難しい操作も特にはなかったです。個人的に他社製品も使用していますが、こちらの方が機能性が高いので、用途に分けて使い分けています。ズームやフォーカスがなめらかな部分がこのカメラの好きな部分です。ただ、私が女性ということもあり、手持ちでの撮影は重量的に少し厳しい印象でした。
SHIN-YU(シンユー)ENTERTAINMENT 月足直人氏
月足氏:私はディレクターなので、現場でモニターを通してみた時の印象になりますが、Viibarの案件でインタビュー動画撮影を行った際に、普通のDSLRだと生っぽさがあったりボケすぎてあまりおもしろくないなといつも思っていたのですが、FS7を使用してみると映画トーンに近い感じがして、普通のインタビュー動画と違うものが撮れるなぁという印象でした。
DSLRと比べてFS7/5を使用するメリットとは
大野氏:耐久性があり、長間回しが可能なことがDSLRとビデオのいいとこどりだなと思います。一緒に撮影を行っている相方には「α7Sを買おうよ」と言われますが、僕は絶対こちらの方がいいなと。やはりDSLRをメイン機にするのはこわいですね。
月足氏:あとは音の問題もあるかなと思いますね。DSLRは全く機能しないので。
三好翔氏:ちょっと違った角度からみると、クライアントさんの受けがいいですよね。圧倒的にプロとして扱ってもらえるのですが、DSLRだとクライアントの方々も持っていたりするので、プロ感がなくなっちゃいます(笑)。
また、FS5とα7の2カメ体制で同じS-Log2設定で撮影しましたが、やはりほとんどFS5で撮影した素材を使用しました。あとはFSシリーズの方が給電ができるなどバッテリー運用の面でもこちらの方がいいなと思います。
ソニーへの要望、今後ソニー製品として発売して欲しい機材とは
座談会ではその他にも、FS7/5のハイスピード撮影を行った感想や、Log撮影についての現状、4K収録の比率などが語られた。また最後には、クリエイターの方々からソニーへの要望、発売してほしい製品について様々な意見が述べられた。
三好翔氏:リグやバッテリーなどの周辺機器はどんどん揃えていくと結局結構お金がかかってしまうので、カメラと周辺機器がセット(パック)になった製品が発売されると嬉しいです。
また、新しい製品をどんどん出しても追いつけないので、アップデートのサービスやサポートを充実してほしいです。すぐには買い換えれないので…。また購入後のサポートも業務用の窓口だけでなく、気軽に行けるお店があれば嬉しいです。
大野氏:業務用の製品が多いので、DSLRを使用するユーザーが親しみやすい民生機のような製品があれば、一般ユーザーも興味あるのではないかと思います。また、今後レンズの種類をもっと増やしていただき、主流になってもらえれば嬉しいです。
三好萌加氏:業務用機器は普通の電気屋さんには置いておらず、手軽に触る場所も機会もないので、操作について説明が聞ける機会を増やしてほしいです。また、色々なレンズが使えて、女性でも長時間手持ちで使える軽量な製品がほしいです。
月足氏:誰でも使える、昔のZ5みたいな手軽で手ごろな価格の製品がほしいです。