ブロードデザインは新しくマルチチャンネル、マルチフォーマットが扱えるディスクレコーダー「D-Stream」(開発元:韓国Visual Research社)を、先週、東京・秋葉原で開催された「After NAB Show Tokyo」のジャパンマテリアル社ブースにて、D-Streamとキャラクタージェネレーター(CG)「Karisma CG」の実機デモンストレーションを行った。
「D-Stream」
ソニー社のVTRライクにノンリニア編集が可能なディスクレコーダーMAVシリーズを覚えておいでだろうか?リニア編集からノンリニアおよびファイルベースへと切り替わった今、反対にリニア編集作業をおこなう環境を維持していくのが難しくなっている。MAV次世代機となりうる代替え製品を探すプロダクションも少なくない。ブロードデザインは、同問題に面していた麻布プラザ社の協力を得てD-Streamを開発した。国内市場が求めている仕様を取り入れた、MAVの生まれ変わりと言ってもいいだろう。
D-Streamは4チャンネルのSDI入出力を持ち、ベースバンドからのソースをファイル化しながら編集するという、いわゆる「追っかけ再生・追っかけ編集」ができる。アッセンブル、インサート、スプリットなど、タイムラインベースのビデオ編集、オーディオ編集が行える。ソニープロトコルに対応することで、ソニー編集機のパネルから制御でき、RS-422によるテープアウトが可能だ。ビデオフォーマットはAVI、MOV、MXF(DNxHDは今夏に対応予定)、MP4などで、CGファイルに関してはDekoファイルを扱えるKarisma CGファイルの取り込みができるようになっている。ベースバンドのビデオ入出力がSDIベースなため、1920x1080p/30fpsおよび720p/60fpsが最高解像度・フレームレートとなる。オーディオはエンベデッドオーディオで、AES/EBUはオプションで対応する。
「Karisma CG」
国内市場で浸透したDeko CGの開発終了からしばらく経つが、Deko CGからのマイグレーション提案が周知されていない。ジャパンマテリアルは韓国のVisual Research社と提携し、Dekoファイルを扱えるソフトウェアベースの「Karisma CG」を日本で展開する。
Karisma CGは、レンダリングを実行することなくリアルタイムで送出できる2D/3Dキャラジェネで、Dekoライクな操作と機能を継承している点が最大の特長。既存に持つDekoファイルをそのまま取り込め、さらにDekoと同じショートカット割り当てを使えることで、Dekoシステムを持つプロダクションでは、従来のオペレーションのまま作業を進めることができる。各種ノンリニア編集機とのデータの親和性もとれており、NPSオプションによりSDI経由でD-StreamにCGデータを送出、テープアウトや、データファイルのIP転送に対応する。またオフライン編集向けのPost DEKOに相当する2Dテロップ専用ソフトウェア「KarismaCG Offline Edit」も用意している。
(山下香欧)