一般人にVRライブ視聴を届ける技術と環境が揃い、今年に入ってからライブVRイベントが盛んに実施されている。VRライブに必要な機材とスタジオ、および独自技術を持つ米NextVRは、FOXスポーツといった放送局とも技術提携をしており、コンサートやスポーツイベントでVRライブを実施している。

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NAB2016でも披露した、NextVRのライブプロダクショントラック

そのNextVRは、7月に実施したシリーズBの資金調達資金調達ラウンドで、海外を含め8社の企業から8,000万ドル(日本円で約82億円)の投資を受けたことが明らかになった。海外とは、中国企業が6社、そして日本のソフトバンクである。ソフトバンクの声明文によると、同社は既に「VR事業推進室」を新設しており、今回のNextVRへの出資を足掛かりに、今後VR映像配信サービスのプラットフォーム構築とコンテンツ開発を推進し、法人向けと個人向けの市場で新しい価値の提供に取り組む方針だという。

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ウォールストリートジャーナルの記事によると、ハリウッド市場をターゲットとし、カリフォルニアを拠点とするVRスタジオ2社も中国企業からの投資を受けている。Jauntは最近の資金調達時に中国キャピタル企業から約6,500万ドルの投資を受け、中国にオフィスJaunt Chinaを開きビジネスを広げている。スティーブンスピルバーグ監督が顧問を務めるバーチャルリアリティ社も中国深センにあるHengxinモバイルビジネス社から2,300万ドルの投資を受けている。韓国サムスンのヘッドマウントギアに続けと、中国ではスマートフォンを使ってVR環境を作るヘッドマウントギア製品のメーカー数が増大しているという。

(山下香欧)