Blackmagic Designは、スタンダードコンバーター「Teranex AV」をIBC2016にて発表した。2016年9月中の発売を予定しており、希望小売価格はUS$1,695(国内:税抜175,800円)。

Teranex AVは、SD、HD、Ultra HDに対応したスタンダードコンバーター。12G-SDIおよびHDMI 2.0aの入力、ループスルー、出力を搭載し、低レイテンシー、スチルストア、フリーズフレームなどのオーディオビジュアル専用の機能や、プレゼンテーションや会議などライブステージのためのHiFiオーディオ入力も搭載されている。

HDMIまたはSDIビデオフォーマットを他のフォーマットに変換して出力し、ライブイベントと同期が行える67ミリ秒の低レイテンシーを実現。HDMI信号を大スクリーンのプロジェクターにループ出力し、同時に信号を変換して、デッキやモニターなどダウンストリームの機器に送信が行える。

Teranex AVは、2チャンネルの民生用HiFi接続、4チャンネルのAES/EBUまたは2チャンネルのバランスアナログオーディオ用のXLR接続に対応している。ラペルマイクやラップトップコンピューターなど、民生用オーディオ接続を使用するデバイスをTeranex AVにも接続可能だ。

ビデオフレームを任意のフォーマットでキャプチャーして、メモリーに保存可能なスチルストア機能を搭載。電源のオン/オフを切り替えてもフレームはメモリーで保持されるため、企業ロゴやグラフィックを事前にロードしてプレゼンターの隣に表示を行える。Teranex AVは再同期機能を内蔵し、スチルストアとライブフィードを切り替えられるほか、現在出力しているフレームを別のビデオ出力やブラックフレーム、あるいはスチルストアに切り替えるまで、スクリーン上で一時的に固定可能なフリーズフレーム機能を搭載している。

Teranex AVは、HDMIおよび12G-SDI接続に加えクアッドリンク3G-SDI入力にも対応。クアッドリンクSDI 1080HD入力にしか対応していない前機種のUltra HDモニター/プロジェクターにも互換性が得られる。Ultra HDを4つのHDスクリーンに分割できるため、通常のHDをスケールアップ、分割して、タイル状のビデオウォールとして4つの大型スクリーンに出力が可能。

BNC入出力は、リファレンス信号の生成/受信で使用可能。内蔵されたEthernet接続はリモートコントロールを可能とし、光ファイバーケージにはオプションのSMPTE光ファイバーモジュールを追加して、ビデオ/オーディオを長距離間で送信が行える。

Teranex AVは、2160p60までのあらゆるフォーマットにおいて、1089種類のアップ/ダウン/クロス/スタンダードコンバージョンをフル10-bitで実現。変換にはオプティカル・クオリティのスケーリングを使用。また、デインターレース、3:2ケイデンスの自動検出/除去/挿入や、タイムコード、アンシラリデータ、オーディオの保持などの機能を備えている。

Blackmagic DesignのCEOグラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。

ペティ氏:Teranex AVは、Teranexの持つ名高い放送品質スタンダードコンバージョンを、初めてオーディオビジュアルのプロに提供する製品です。この製品はエキサイティングです。ライブイベントや会議で作業を行う方々が、まさに必要とする機能を搭載しています。ユーザーは、SD、HD、Ultra HDにおける1089種類の驚異的な変換、オーディオビジュアルのプロ向けに開発された驚きの新機能を手にすることができます!