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Blackmagic Designの発表によると、株式会社セガゲームスによるオンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」」の5thオープニング映像制作にて、マーザ・アニメーションプラネット株式会社(以下:MARZA)はFusion Studioを使用したという。

オープニングムービー

MARZAは、株式会社セガ(現:セガゲームス)のCGアニメーション部門として始まったCGアニメーションスタジオで、ゲームのプリレンダリングムービーを手がけている。MARZAが手がけた「ファンタシースターオンライン2」は、株式会社セガゲームスが開発、運営を行っているオンラインRPG。プレイヤーは、惑星間航行船団オラクルの調査隊「アークス」の一員となり、未知の惑星の謎を解明していくというストーリー。5つ目のオープニング映像でBlackmagic DesignのFusion Studioを使用し、ボスとして登場する戦艦大和の形をした「幻創戦艦・大和」と、アークス側の人型迎撃兵器「A.I.S」が戦闘を繰り広げる様子が描かれた。MARZAのCGディレクターの八木啓敬氏は次のようにコメントしている。

八木氏:この作品に関しては、3DCGソフトウェアで作ったエレメントを、コンポジット上で部分的に細かく調整して最終的な画を作っていきました。

空やキャラクターなどのすべてのエレメントを、Fusion Studio内で細かく分けてそれぞれ微調整しています。例えば、戦闘機が3機体分レンダリングされてFusion Studioに持ち込まれたエレメントがありますが、それをBitmap MaskでRGBの色分けして部分的に調整できるようなマスクを作りました。こうすることで、武器の部分やゴーグルの部分、光の反射部分などをバラバラに調整できるんです。かなり複雑な作業になりますが、Fusion Studioはノードベースなので自分がどんな作業をしたかがわかりやすくメリットを感じます。

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3Dソフトウェアからの各エレメントはそれぞれ広いダイナミックレンジを持ったものが送られてくる。それらは正しい環境で作業しないと影の部分などのディテールが失われるため、Fusion StudioのGamutツールでガンマ2.2のLUTを当てて、コンポジット処理を行っているという。MARZAのCGアーティストの川口直人氏はノードベースのFusion Studioについて次のようにコメントしている。

川口氏:ノードをコピー&ペーストできるので、作業を分担した時に、あるエレメントの部分だけノードを受け取って全体のプロジェクトに組み込んだり、自分で行った色調整のノードだけを別のスタッフに渡したり、と言ったことが簡単にできます。ノードツリーごと渡せるので、どういう工程で行ったかそれを見れば簡単に理解できるんです。これがレイヤーベースのソフトウェアだと、すごく分かりにくいんです。