ブラックマジックデザイン株式会社は、2016年10月19日(水)に東京・秋葉原UDXにて「IBC 2016 New Product Preview & Technical Seminar」を開催した。同イベントでは、IBC2016で発表した新製品の紹介と、ゲストスピーカーによるDaVinci ResolveおよびFusionのセミナーが行われた。

同セミナーでは、ゲストスピーカーとして空気株式会社(以下:KOO-KI)の池田一貴氏、株式会社D・A・GのFusionアーティストであるビト・ラマンナ氏、株式会社IMAGICAの山下哲司氏が登壇し、FusionとDaVinci Resolveを使用した作品事例などを紹介した。

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空気株式会社池田一貴氏(左)と株式会社D·A·G ビト・ラマンナ氏(右)

KOO-KIは、テレビCM、ゲームのオープニングなど、フルCGのアニメーションや実写映像をメインに幅広く制作しているプロダクション。KOO-KIの池田氏とD・A・Gのラマンナ氏がFusionを使用して制作した、福岡県で放送されているテレビCMが紹介された。またラマンナ氏は、マルイのCM「マルコとマルオの7日間」のワンシーンを紹介しながらFusionのデモンストレーションを行った。ラマンナ氏は次のようにコメントしている。

ラマンナ氏:Fusionの大きな特長はノードベースのインターフェースだというところです。皆さんが馴染みのあるものとしてAfter Effectsがありますが、After Effectsはレイヤーベースです。

After Effectsではこのような規模のものをひとつのプロジェクトで完結させるのは不可能ですが、Fusionはノードベースなのでエレメントが多くなってもしっかりと組み立てることができるのです。

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株式会社IMAGICA 映画・CM制作事業部 カラリスト 山下哲司氏によるデモンストレーション

IMAGICAの山下氏は、HDRで撮影し、DaVinci Resolveでカラーグレーディングを行ったWOWOWドラマ「コールドケース~真実の扉」の素材を用いて実際にカラーグレーディングのデモンストレーションを行った。

デモンストレーションの最初と最後に、それぞれSDRとHDRで撮影された同じダイジェスト映像を紹介し、違いを比較した。HDR制作から感じたことを、山下氏は次のようにコメントしている。

山下氏:グレーディングを行う段階で初めてHDRで映像を見ました。撮影現場で感じ取れなかったことがHDRで見た時に、ちょっとした日差しの違いなども情報としてあらわれます。HDRをやりきるには現場における高いクオリティーを求められます。HDRビューイングが各プロセスで行えるようになると、クオリティーのコントロールもより可能になりますね。