Blackmagic Designの発表によると、バルセロナに拠点を置くポストプロダクションハウスであるMoonlight Cinemaが、子供向けアニメ映画の新作「Ozzy」のデジタルインターミディエイト(DI)およびフィニッシングにDaVinci Resolve Studioを使用したという。

同ポストプロダクション監督のアレハンドロ・マトゥス氏とカラリストのイグナシ・ゴンサレス氏は、同アニメーションの40以上の異なる配信版を2週間で作成した。Moonlight Cinemaには3部屋のDaVinci Resolveカラーグレーディングスイートがあり、複数の言語バージョンや、アスペクトレシオ、フレームレートに対応した。マトゥス氏は次のようにコメントしている。

マトゥス氏:私たちはこれまでアニメーションを手がけたことがなかったので、高品質の作品を納品することに対するプレッシャーもひとしおでした。DaVinci Resolve Studioはこのプロジェクトのあらゆる面で役立ちましたが、特に重宝したのは新しい編集ツールです。プロジェクトのコンフォームやマスタリングに使用しただけでなく、グレーディングの最中にDaVinci Resolve Studioを使用したまま編集を変更することができたのです。

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Moonlight Cinemaのチームは、カナダのTangent Animationから送られてきた2KのDPXファイルにLUTを適用し、作品全体のベースとなるルックの作成から作業を始めた。

ゴンサレス氏:多くの人は、アニメーションのプロジェクトにはカラーコレクションはさほど必要でないと考えるでしょう。しかし実際はその正反対なんです。実写の映画とは異なり、CGアニメーションは多くの人々の手により、多くの異なる機材を使って作成されています。すべてのコンテンツを均質化し、照明やブラーなどのツールを駆使してアニメーションに奥行きを出す作業は非常に骨の折れる作業なんです。

マトゥス氏とゴンサレス氏は、シーケンスのすべてのショットが均一に調和するよう、それぞれのシーンのアルファチャンネルでマットを使用し、各シーンからキーエレメントを切り離した。これにより、最終的なグレーディングで、キャラクターの顔など、個別エレメントの修正がコントロール可能となった。

ゴンサレス氏:同作でDaVinci Resolveを使用することの最大のメリットはカラーマネージメントシステムにありました。非常に印象的だったのは、必要なすべてのカラースペース変換の出力をDaVinci Resolveが扱えることでした。とてもスピーディでストレスとは無縁でしたね。またグレーディング処理を通して、ショットの差し替えも多く行いました。DaVinci Resolveでは、完成したグレードのスチルをスチルギャラリーに保存できます。このスチルにはすべてのキーフレームとトラッキング情報が含まれているので、新しいショットをストレスフリーでアップデートできるのです。