ソニーは、同社のデジタルシネマカメラCineAlta「F65」および、米国パナビジョン社と共同開発したデジタルシネマカメラ「ジェネシス」(パナビジョン社製)の開発が評価され、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences:AMPAS)より2017年の科学技術賞を受賞した。受賞式は、米国ロサンゼルスにて、現地時間の2017年2月11日夜に開催された。

映画芸術科学アカデミーは、F65の受賞理由として「高画質のイメージセンサーを搭載し、優れたダイナミックレンジで4K映像を表現できること」や、「独自の画像処理技術やRAW記録の対応により、圧倒的な高画質を実現していること」を挙げている。また、ジェネシスについては、映画業界における制作用デジタルカメラの草分け的な存在として評価されたという。

ソニー株式会社 執行役員ビジネスエグゼクティブ 大西俊彦氏は次のようにコメントしている。

大西氏:ソニーの強みである高画質なイメージング技術、ソリューションの貢献が映画業界に認められことを心より光栄に存じます。パナビジョン社と共同開発したジェネシスは、デジタルによる映画撮影用カメラの世界を切り拓き、ソニーが独自開発したF65は、撮影から上映に至る4Kデジタルワークフローの先鞭をつけ、コンテンツの4Kデジタル化を促進しました。

ソニー株式会社 イメージング・プロダクション&ソリューションセクター プロフェッショナル・プロダクツ本部商品設計第二部門 部門長 須藤文彦氏は次のようにコメントしている。

須藤氏:ジェネシスは、フルHD解像度でフルRGBの大判CCDを最大50fpsで駆動でき、広色域、広いダイナミックレンジでの撮影に加えて、ソニー製VTR「SRW-1」で動きに効果を与える可変速記録を可能とし、当時の大変高い目標を達成しました。

F65は、8K CMOSセンサーによりさらなる高感度・広ダイナミックレンジを実現しただけでなく、大容量のRAW画像をメモリーで可変速記録しコンピュータに取り込むといった、使いやすいワークフローも実現しました。両カメラとも長くプロの皆様に愛用頂いています。長年の技術への取り組みが高く評価されたことを大変嬉しく思います。