Appleが長年、175エーカー(約70.8万平方メートル)の広大な面積に建設を進めていた「宇宙船」新社屋が、いよいよ今年グランドオープンする。Appleは新社屋を「Apple Park(アップルパーク)」と名付け、4月から従業員を徐々に入居させることを発表した。

東京ドーム約15.2個分の敷地に建つ新キャンパスは80%以上が緑地で、ティム・クックCEOが「完全に再生可能エネルギーで運営される」と述べているように、世界で最もエネルギー効率の良い建築物の1つになるという。

リング状の280万平方フィート(26万平方メートル)のキャンパスは、世界最大の湾曲ガラスのパネルに完全装備されている

5百万平方フィートにあったアスファルトとコンクリートを、草地や9,000以上の自然や干ばつに強い木に置き換え、100%再生可能エネルギーで100%賄なえるようにする。アップルパークの屋上部分には17メガワット分のソーラーパネルを設置し、オンサイト太陽光発電施設を運営する。敷地内で太陽エネルギーを運用する自然換気型の建物としては世界最大となり、1年の75%は暖房・冷房を使うことなく過せるという。

アップルパークには、アップルストアとカフェがある一般の人が入れるビジターセンター、従業員用の約1万平方メートルの敷地を持つフィットネスセンターや、研究開発施設、スティーブジョブズシアター、そして3.1kmのウォーキングとランニングパスがあり、加えて巨大キャンパスリング内の“インテリア”には、果樹園、牧草地、人工池があるようだ。

アップルパークの敷地内に建築されるシアターはティーブ・ジョブズ・シアターと名付けられた。1000人を収容できる。シアター入場口は、金属製の炭素繊維屋根を支える、直径165フィートの高さ20フィートのガラスシリンダーで囲まれている

2011年、故スティーブ・ジョブズCEOはクパチーノ市議会に出向き、Appleの新キャンパス建設計画をプレゼンテーションした。当時のジョブス氏の構想はそのまま、現在の新キャンパスに継承されている

故スティーブ・ジョブズCEOの妻ローレン・パウエル・ジョブズ女史は発表文で、「スティーブは、カリフォルニアの陽光と広大な風景に、大いにインスパイアを受けていました。生き生きとした創造的な環境は、彼が大好きな環境だったのです。Apple Parkは、彼のスピリットを神秘的なまでに繋いでいると思います。もし彼が今もいたら、Appleの皆さんがきっとそうするように、この明るいデザインのキャンパスで大活躍していたことでしょう」と、述べている。

12,000人以上の従業員の移動プロセスは6ヶ月ほどかかるとし、建物と公園の建設は今夏まで継続する予定。

(ザッカメッカ)