Blackmagic Designの発表によると、サム・レントン撮影監督が近日公開予定のTVドラマ「The Durrells」のシーズン2のディテールやアクションショットの撮影にMicro Cinema Cameraを使用しているという。同作は、脚本家のサイモン・ナイ氏が執筆し、制作はSid Gentle Films Ltdが行った。
スティーブン・バロン氏により監督された同作は、ジェラルド・ダレルの自伝3部作に基づき、1935年〜39年にダレル一家がコルフ島に住んでいた時の様子を描く物語。可能なかぎり面白いアングルやディテールを得るためにバロンとレントンの両氏は、3つ目と4つ目のアングルの撮影に使用できる制作用の小さなカメラを探していた。 レントン氏は語る。
レントン氏: 本作のようなドラマの場合、演技、脚本、美術を各シーンで余すところなく撮影する必要があります。過密な制作スケジュールでは他の方法では得られないアングルを、Micro Cinema Cameraでは即座に撮影できます。
また、レンズマウントが交換でき、焦点距離がコントロール可能なので、他のカメラに類似したスタイルで撮影できます。カメラを取り付け、作動させておくと、タイムラプスですらカットアウェイとして使用できます。これは、前シーズンでは得られなかったレベルです。ショットは、つなぎ目を感じさせずマッチしました。
バロン氏とレントン氏にとって、他の方法では得られない瞬間を撮ること、そしてサイズの関係で設置できない場所にカメラを取り付けて撮影することの2点が重要だった。
レントン氏:例えば、1930年代のオリーブ圧搾機の動力源はロバだったんです。車輪がオリーブを潰す様子のクローズアップを撮りたかったのですが、唯一の方法はMicro Cinema Cameraを回転アーム部分に取り付けることでした。これはディテールを得るためですが、こういったことが視聴者を惹きつける瞬間だと思います。
また、同氏はBlackmagic Micro Cinema Cameraが撮影した極めて重要な瞬間についても語る。
レントン氏:車の後部座席から、メインのカメラを手持ちしてクローズアップを撮影していたのですが、2台目をリグ付けする時間がなかったので、Micro Cinema Cameraを車に固定し、前に座る2人の俳優の横顔を即座に撮影しました。メインのカメラでは取り付けに時間が掛かり過ぎて撮影できなかったでしょう。Micro Cinema Cameraは5分でセットアップできたので、1台で2つのショットを撮影できました。
レントン氏は、カメラの自然な画質と、ポストプロダクションの際にどのカメラからのショットなのか気にせず作業ができる点が特に気に入っているという。
レントン氏:このカメラのセンサーでは幅広いラティチュードが得られるので、CinemaDNG RAWで収録することでダイナミックレンジをそのままキャプチャできます。他のカメラと近いレベルまでNDを下げることもできたので、被写界深度が一定となり、デジタルインターミディエイトで他のショットとマッチさせるにあたり、RAWが非常に扱いやすいことが分かりました。Micro Cinema Cameraは極めて直感的で、他の方法では設置できない場所にカメラが取り付けられるので、このカメラならではの物語を伝えることができます