富嶽三十六景「凱風快晴」

NHKは、江戸時代を代表する浮世絵師 葛飾北斎の作品の謎に迫る番組を8Kカメラを使用し、イギリスの大英博物館と共同制作することを発表した。共同制作の番組放送は、今年秋以降を予定。

葛飾北斎は、類まれなる才能が世界的に認められ、江戸の浮世絵師の中では海外で突出した人気を誇る。モネをはじめとする印象派の画家や、音楽家のドビュッシーなど、世界の芸術に大きな影響を与えてきた。

今回、8Kの超高精細映像に以前から関心を持っていた大英博物館側から打診があり、共同制作が実現したという。制作にあたっては、大英博物館が所蔵する浮世絵版画、「富嶽三十六景」の「凱風快晴」、通称「赤富士」や、肉筆画、「鎮西八郎為朝図」、それに世界各国の美術館や個人が所蔵する北斎作品を8Kカメラで撮影する。その上で、大英博物館を中心とするチームが映像を基に作品を分析する。

8Kによる超高精細映像は、肉眼では確認できないような細部まで再現することができるため、多様な色や繊細な線を複雑に重ねるといった技法が駆使された北斎作品の秘密や、謎めいた作画意図の解明につながるのではと期待されているとしている。