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Hitachi Kokusai Electric America(日立国際電気アメリカ)はNAB2017にて、HDR技術の取り組みをアピールする(セントラルホール/C4309)。
株式会社日立国際電気は、国内においてNHKと共に8Kカメラ技術を開発している企業の1社。HDR技術のメリットを最初に実践しているカメラメーカーの1社であり、同社のMOSおよびCMOSベースの2K(HD)、4K/8KカメラでHDRに対応しているという。今回NABに出展する日立国際電気アメリカは、HDR技術はHDでも有効と見ており、HD-HDRに着目した技術展示を行う。
HDTVカメラがHDR対応することで、既存のワークフローやインフラストラクチャーを大幅に見直すことなく、高い映像再現が実現可能となる。日立国際電気アメリカが2月に発表した最新のCMOSセンサー、フルプログレッシブスキャンHDTVスタジオ/EFPカメラ「Z-HD5500」や、260万画素、2/3インチ、1920×1080のラスターMOS RGBセンサー搭載「Z-HD6000」そして3x2/3インチプログレッシブMOSセンサー搭載HDTVスタジオ/EFPカメラ「SK-HD1300」は、HLGやHPQの両HDRに対応する。
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高解像度300dpi sRGB 24ビット「Z-HD5500」
周波数可変のLED照明条件に容易に適応し、テレビスタジオ、礼拝堂、劇場、アリーナなどの照明や大型LEDディスプレイが使用される施設内において、高性能な映像収録機能を発揮する。日立国際電気の高度なデジタル信号処理技術と独自の低ノイズ回路技術を組み合わせることで、優れた画質と優れた色再現性、62dBの高S/Nを実現する。
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ジョン・ハンフリー氏
Hitachi Kokusai Electric Americaの事業開発担当副社長ジョン・ハンフリー氏は、エンジニアリングと情報技術会議にて「高ダイナミックレンジの新興技術と標準」に登壇する。HDRの重要な側面について同氏の白書「High Dynamic Range for HDTV」で述べている、利用可能なHDR規格やカメラセンサーの実装と人間の視覚の関係などについて議論する(2017年4月25日(火)9:00より)。
今後、ATSC3.0を採用する放送事業サービスをはじめ、ケーブル、衛星、OTTで4K-HDRを提供するサービスであれば、HD-HDRの提供も可能であるという。HDRは解像度の影響を受けずに、黒でよりディテール、明るいハイライトで拡大された中間調、より彩度の高い色合いのピクセルをもたらす。これらによりHDRは映像再現において(コスト対メリットの側面においても)、視聴者とテレビといったディスプレイ間の視聴距離では、解像度を上げるよりも、はるかに有効であると述べている。
(ザッカメッカ)
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