ストリーミングサービスNetflixの加入者数が、米国のケーブルテレビ加入者数をついに超えた。米国のケーブルテレビの市場動向を追跡している統計ポータルStatistaによると、2017年3月末現在、Comcast、Charter、Altice、Mediacomといった米主要ケーブルテレビの加入者数は4,860万人で、Netflixの加入者数は5,090万人。ケーブルは米国の有料テレビ市場全体で約半分を占め、有料テレビを家庭で楽しむには手っ取り早い一般的な方法である。

© Statista 2017

しかし、OTTの到来でテレビ視聴の概念が変わった。昨年より、OTTサービスでも有料テレビ事業と同様のリニアチャンネルの提供が始まり、さらに市場供給、需要側とも混沌化している。

Netflixは過去5年間で米国の加入者数を2倍に増やした。2017年には、昨年比6.6%アップの1億2,800万人のユーザーがNetflixのコンテンツを視聴すると算出されている(米eMaketer調べ)。大人が1日でオンラインビデオを見る時間は、平均75分だという。Netflixの記録は「コードカット」によるケーブルテレビ離れによるものではなく、自身の加入者ベースの拡大によるものとStatistaでは見解している。現に主要ケーブルテレビ加入者数は、過去5年間で400万人しか減っていない。その間に増加したNetflixの加入者数は2,700万人である。

Netflixは国際的にも130ヶ国へサービスを拡大し、利益成長を成し遂げている。世界規模で事業を展開する上での最大の課題は、多くの異なる市場のコンテンツライセンスの管理とリソースだ。しかしNetflixは自身が番組配給元として独自のコンテンツを保有していることが戦力の1つとなっている。

オリジナルや独占配信コンテンツ見たさに、複数の動画配信サービスに加入するケースが増えているが、Netflixに次ぐ市場2番目のAmazonやHuluの加入者数を含めば、動画配信サービスの先導は極めて目立つだろう。

(ザッカメッカ)