Blackmagic Designの発表によると、動画配信サービスdTVが配信するVR専用アプリ、dTV VRの動画撮影にBlackmagic URSA Mini 4.6K PLが使用されたという。撮影はD-CORDの梅澤勉氏が担当し、ポストプロダクションはパワーグラフィックスが担当した。
dTV VRは、動画配信サービスのdTVが運営するVR専用アプリで、dTV VRの配信する360°映像コンテンツをスマートフォンで楽しめるほか、VRゴーグルを利用し、臨場感のある映像が体験可能。今回、アプリリニューアルに伴い、アプリを開いたときに表示される縦型動画の撮影でURSA Mini 4.6Kが使用された。同作は合成することを前提に、全てグリーンバックで撮影が行われた。
撮影監督を務めた梅澤氏はクライアントから、広告写真のような雰囲気の作品を求められたという。
梅澤氏:被写体であるモデルがつけているVRゴーグルを植物で表現していて、目の周りは全て花や緑の植物でカバーされています。被写体の動きはあまり多くなく、合成による背景のグラフィックスがかすかに動いていて、花びらを散らして動きを出しているので、動画と静止画の中間のような印象の動画です。当日はSonyのPLレンズの35mm、50mm、80mmをつけ替えながら撮影を行いました。またあるショットでは、花びらが舞う様子を捉えたかったのでハイスピードの90コマで撮影し、より雰囲気のある動きをつけました。
ポストプロダクションを担当した小松好幸氏は、次のようにコメントしている。
小松氏:あとで合成する前提だったので、撮影に立ちあって事前にカメラテストを行いました。通常、合成モノの場合はRAWで撮ることが多いですが、テストの結果ProResで収録してもキーが綺麗に抜けることがわかったので、ProResで収録しました。最終納品形態もProResで納品することが多いので作業中一度もファイル形式を変換する必要がなく、ワークフローがスムーズで作業時間の短縮につながりました。
映像のコントラストをだいぶいじったのですが、ProResでもモデルの髪の毛のディテールがきちんと残せたのは驚きました。デジタルノイズのようなものも全く出ませんでした。
梅澤氏:URSA Miniのメリットは、低価格ながらハイエンドカメラといわれる価格帯のカメラとまったく遜色ない画が撮れる点ですね。粒子もまったくなく、綺麗です。さらにカメラOSがシンプルで使いやすいです。今回の撮影はURSA Mini本体とURSA Mini Shoulder Kit、URSA Vlock Mountのみ使いました。余計なものをつける必要がないのも、手軽でいいですね。