Blackmagic Designの発表によると、北京七星明路文化伝播有限公司(以下:北京七星明路)が制作したCM作品「Cruzr Video」のカラーグレーディングに、DaVinci Resolve Studioが使用されたという。なお同作品はリモートグレーディング機能を使って同じAOI Pro.グループである東京の株式会社デジタル・ガーデン(以下:デジタル・ガーデン)のDaVinci ResolveおよびDaVinci Resolve Advanced Panelで作業が行われた。

デジタル・ガーデンは、北京七星明路との業務提携でアメリカ、ヨーロッパに続いて中国が海外3拠点目のリモート業務サービスの展開となる。北京七星明路とデジタル・ガーデンは専用の回線で結ばれており、DaVinci Resolveのリモートグレーディングのコントロールに使用されている。

「Cruzr Video」は、UBTECH社の新しい企業向けのサービスロボット「Cruzr」の公共広告で、Cruzrのシナリオに応じた機能と商品の魅力を紹介するプロモーション映像。北京七星明路の総経理である崔凡氏は今回の業務提携について次のようにコメントしている。

崔氏:従来の映像伝送を使ったリモート作業では作業前に撮影素材の転送、作業後にレンダリング素材の転送と二重転送が必要でした。リモートグレーディングを使うことで、レンダリングは北京側で行えるので転送が1回で済むのは大きなメリットです。映像伝送ではないので画質劣化がなく、デジタル・ガーデンの優秀なスタッフとコラボレーションできるのは弊社にとってもメリットになります。

「Cruzr Video」の監督を務めた李偉豪氏は次のようにコメントしている。

李氏:カラリストのマクシムのトーン作りが素晴らしく、また要求への対応も丁寧で、思っていた以上のグレーディングができました。細かな作業がストレスなくできたため、グレーディングにて細部まで詰めることができ、大変助かりました。まるでカラリストと隣で作業しているかのように早いレスポンスで、作業をリアルタイムにモニタリングできるリモートグレーディング機能のおかげだと思います。

マクシムの操作がインターフェースを通して見えるため、何をしているのかの確認ができ、またビフォーアフターの違いもわかりやすく、想像していた遠隔というマイナスなイメージも全く感じませんでした。今後も、この機能を使って、他の作品でもマクシムとリモートグレーディングをしたいと思います。

今回初めて北京七星明路とのリモートグレーディングを行なった、デジタル・ガーデンのカラリストであるマクシム・ゴロミドフ氏は次のようにコメントしている。

ゴロミドフ氏:初めてのリモートグレーディングでしたが、普段と変わらない操作スピードで作業ができ、想像以上の機能性に驚きました。ルックに関しては、近未来的でシンプル且つエレガントなイメージを目指していたので、ブルーのハイライトと白を強めのトーンに仕上げました。

DaVinci Resolve Advanced Panelを通して様々なスタイルのパワーウインドウが直感的に操作でき、3Dトラッキングも非常に精度が高く、簡単なオペレーションで使えます。Resolve FXを使ってモニターにスキャンラインを入れたり、カラコレ以上の作業も行えます。非常にすぐれた便利なツールが使いやすいGUIでたくさん用意されておりカラリストとしては大変助かっています。

リモートグレーディング機能を使うことで、中国にいる監督にも自分のしている作業の一つ一つをDaVinci Resolveのインターフェースを通じて確認してもらえるため、意思疎通が取りやすく、監督が同じ部屋にいる感覚で作業ができました。他の国にいるクライアントと、普段のパフォーマンスを保ったまま、その国へ直接行かずともグレーディング作業を可能にしてくれる、リモートグレーディング機能は、本当に便利でグレーディングの可能性を広げてくれるものだと感じます。