Blackmagic Designの発表によると、株式会社ネイキッドが手がけた現代アートプロジェクト「TOKYO ART CITY by NAKED」において、多数のTeranex Mini HDMI to SDI 12G、Teranex Mini 12G-SDI to Quad SDI、Micro Converter SDI to HDMIが、また、同プロジェクトのプロモーションビデオのグレーディングにはDaVinci Resolve Studioが使用された。

映像制作会社としてスタートしたネイキッドは、映画/広告/TV/インスタレーションなどで活動している。2012年に同社が手がけた3Dプロジェクションマッピング「TOKYO HIKARI VISION」は、東京駅の赤レンガ駅舎をスクリーンに見立てた映像ショーで2日間で、約18万人もの観客を動員した。

同社が演出を手がけた「TOKYO ART CITY by NAKED」は、渋谷や新宿などの都内の主要スポットそれぞれを模型で再現し、約100台のプロジェクター、LEDライト、音楽、特殊効果、パフォーマンス集団SAMURIZE(サムライズ)のパフォーマンスによって、テーマである「TOKYO」を360°体感できるアート空間で、ワークフローにはTeranex Mini HDMI to SDI 12GおよびTeranex Mini 12G-SDI to Quad SDIが、プロジェクターの映像を制御している10台ほどあるPCからプロジェクターに映像信号を伝送する用途で使用された。

複数のPCからの出力を、8台のTeranex Mini HDMI to SDI 12Gに送り、そこからさらに同数のTeranex Mini 12G-SDI to Quad SDIに接続。Teranex Miniは4Kに対応しているため、4つの独立したHD映像として伝送することによって、多くの信号を送ることが可能。そこから遠隔にあるプロジェクターに接続するため、20mを超える長さのSDIケーブルでMicro Converter SDI to HDMIに繋ぎプロジェクターに映像が投影される。SDIケーブルで繋ぐことにより、長距離の場所にも映像を送ることが実現した。同プロジェクトで技術を担当したネイキッドの中村文豪氏は次のようにコメントしている。

中村氏:Blackmagic Design製品はDaVinci Resolveなどを以前から使っていて、サポート面でも安心感がありました。さらに同じようなことを別の機材ですると非常に高額になってしまい、コスト面でかなり負担になります。その点Blackmagic Design製品は安価なので、大量導入もしやすいです。

今まではPC 1台から出せる映像に限界がありましたが、Teranex Mini 12G-SDI to Quad SDIを使うことにより最大4倍まで出力数を増やすことができました。これによって、より表現の幅が広がったのがTeranex Miniを使った1番のメリットですね。出力を増やすことでPCの台数も少なくすることができました。PCの台数が多いほど映像信号を連動させるのが難しくなります。そのため、PCの数は少なければ少ないほど制御しやすいのです。

また、Teranex Mini HDMI to SDI 12GおよびTeranex Mini 12G-SDI to Quad SDIにはオプションのTeranex Mini Smart Panelを装着して運用した。

中村氏:Teranex Mini Smart Panelによって映像をTeranex Mini上で確認できるので、スムーズに伝送できました。また不具合が発生した際にも、どこに問題があるか見つけやすい点も助かりました。