Facebookは米カリフォルニアで10月11日に開催されたOculus Connect 4にて、スタンドアロン型のVRヘッドセットシステム2種を発表した。
価格が199ドルと、挑戦的な価格で姿を見せた「Oculus Go」は、来年初めに出荷される。Oculus GoはOculus初のスタンドアロン型のVRヘッドセットで、PCやスマートフォンでの操作を必要としない。Oculus Go自身にプロセッサとバッテリーが搭載されているため、Oculus RiftのようにワークステーションレベルのハイスペックPCを接続せずにVRが体験可能。
ヘッドセットによる体験および機能は、Oculusがプラットフォームを提供する、1万円以下のサムスンGear VRと同様、内蔵センサーは3軸方向のトラッキングに対応。ユーザーは自由に動けるがポジショントラッキングはできない。そして、ミニサイズのコントローラーが同梱される。ソフトウェアは、Gear VRタイトルとの相互互換性があるという。
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは「Oculus Goは最もアクセスしやすいVRヘッドセットだ」と説明した。ヘッドセットは軽量な上、ヘッドセット自身もソフトで、装着していても負担は感じられないとしている。
Oculus Goは「ファストスイッチ(高速書き換え対応)」のWQHD LCD液晶スクリーンと空間音響スピーカーを実装している。スクリーンは、レンズで拡大されて網戸のようなノイズがみえる「スクリーンドア効果」も低減しているという。専用開発用キットは11月から出荷される予定。Oculus Goは、Oculusにとってサムスンとのパートナーシップを超えて新しくローエンドモバイル戦略を展開し、Facebook自身の新たな市場の開拓を導くことになる。
Oculusはスタンドアロン型VRヘッドセットとして、Oculus Goのほかにワイヤレスヘッドセットでフルモーショントラッキング機能を備えた「 サンタクルーズ(コードネーム)」を開発していることを発表した。サンタクルーズもPCに接続せず、また外部カメラで追跡する必要がないヘッドセットにすることを目指しており、現在のハイエンドのVRヘッドセット市場において、完全な競合ポジションはないとみられる。カンファレンスでは、新しいタッチモーションコントローラも開発中だという。米国報道サイトによると、サンタクルーズの開発者バージョンのリリースは、早くて来年春だとしている。
Oculus Connect 4では、Oculus Rift+Touchのバンドル価格を399ドル(国内は税込5万円)に値下げすることも発表した。今年に入ってから、Oculus Riftの価格は今回で3分の1の価格まで下がったことになる。
(ザッカメッカ)