DJIは、同社の空撮用Super 35mmデジタルシネマカメラ「Zenmuse X7」がファームウェアアップデートにより、Apple ProRes RAWに対応することを発表した。

Apple ProRes RAWは、RAWファイルの高品質性とよりスムーズなワークフローを実現。ユーザーは、カメラセンサーからのRAWデータを直接インポート、編集、グレーディングが可能。RAWアクティベーションパッケージにより、ProRes RAWファイルは、Inspire 2/Zenmuse X7にネイティブで収録され、ポストプロダクションでは、Final Cut Pro Xにファイルを直接インポートできる。また、Pro Res RAWは、ファイルサイズを小さいままイメージクオリティを保つことができる。映像のシャドウとハイライトのディテールを鮮明に保持しながら、より少ないノイズ、より滑らかな色とトーンのグラデーションで、14-bitのCinemaDNGを6K 23.976fpsで撮影可能。

一般的に生成したファイルサイズは録画解像度と録画時間に比例するが、これらの情報をより効率的に管理し処理するため、Zenmuse X7データシステムには、exFATファイルシステムを採用。新しく追加したフォーマットにより、最大32GBの大容量録画を1つのファイルに保存することが可能となった。exFATフォーマットはデータ管理を向上させるだけでなく、macOSとWindows OS間に幅広い互換性を提供するとしている。

4月下旬に提供開始予定の1回目のファームウェアでは、14-bitのCinemaDNG撮影に対応。5月下旬に提供開始予定の2回目のファームウェアでは、Apple ProRes RAWとexFATファイルシステムに対応する。どちらのファームウェアの更新も、DJI Assistant 2またはDJI GO 4モバイルアプリから無償でダウロードだが、14-bit CinemaDNGとProRes RAWに関しては、CinemaDNGライセンスを持っているユーザーが対象となる。

DJIシニアプロダクトマネージャー Paul Pan氏は次のようにコメントしている。

Paul Pan氏:DJIのZenmuse X7は、Apple ProRes RAWに対応する史上初の空撮カメラになりました。私たちは、この発表をできることを大変嬉しく思っています。本日発表のファームウェア更新によって、Zenmuse X7カメラとInspire 2はこれからも最も要求の厳しい空撮映像制作現場に対応する唯一無二のプラットフォームであり続けます。