キヤノンは、「RFマウント」を採用した「EOS Rシステム」のカメラとして、35mmフルサイズCMOSセンサー搭載のミラーレスカメラ「EOS R」を2018年10月下旬に発売する。希望小売価格はオープン、同社オンラインショップ販売予定価格は税別237,500円。
ミラーレスカメラ「EOS R」
EOS Rは、RFレンズと有効画素数約3030万画素の35mmフルサイズCMOSセンサー、映像エンジン「DIGIC 8」を採用。レンズの収差や回折などを補正する「デジタルレンズオプティマイザ」を搭載しており、補正に必要な情報がRFレンズからEOS Rに自動で転送されるため、従来必要だったPCを介したレンズ情報の事前登録が不要。また、静止画の常用ISO感度100~40000を実現。
AF連動で最高約5.0コマ/秒、AF固定で最高約8.0コマ/秒の高速連写が可能。専用のマウントアダプター(別売)を装着することにより、従来のEFレンズやEF-Sレンズも使用できる。高精度にブレを検知し、効果的に補正する「デュアルセンシング IS」を採用。レンズのジャイロセンサーに加え、撮像センサーの画像情報からもブレ情報を取得することで、ジャイロセンサーが検出できなかった低周波の揺れも高精度に検知し、最適な補正が可能だとしている。ブレ検出のアルゴリズムの進化により、静止画撮影時は最大5段の手ブレ補正効果を実現。
4機種のRFレンズ
各画素が撮像と位相差AFの両方を兼ねる「デュアルピクセルCMOS AF」と「RFレンズ」の駆動制御を最適化したことにより、最速約0.05秒のAFを実現。AF エリア任意選択時は、撮像面の約100%(縦)×約88%(横)の範囲で、ピントを合わせたい場所を最大5,655のポジションから選べる。さらに、EOSシリーズで初となるEV-6の低輝度限界を達成し、肉眼では被写体の判別が難しい暗い状況でも高精度なピント合わせを実現するとしている。被写体だけでなく、周辺の距離情報もモニタリング。奥行き情報を活用することにより、追尾性能が向上し、被写体の瞳を検出してピントを合わせる「瞳AF」も搭載している。
約369万ドットの有機ELパネルを採用した視野率約100%のEVFを内蔵。ボディー背面には、スライド操作やタップ操作で、撮影設定や画像送りを簡単に行うことができるEOSシリーズ初のマルチファンクションバーを搭載。同社のカメラで初となる露出モード「Fv(フレキシブルAE)」を搭載。単一モード上で、シャッター速度、絞り、ISO感度など露出に関わる設定値を、AUTOまたは任意の値に設定可能。
4K(3840×2160画素)での記録や、撮影した動画からの画像の切り出しに対応。CINEMA EOS SYSTEMで実績のある同社独自のLogガンマ「Canon Log」を搭載。4K映像をHDMI端子から出力して外部機器で記録や表示が可能。Canon Log設定時には、豊かな階調(10bit出力)、広い色域(ITU-R BT.2020)で出力可能。カメラ内での5軸電子手ブレ補正機能を搭載。さらに対応レンズ装着時には、カメラ側の電子手ブレ補正とレンズ側の光学手ブレ補正を協調制御する「コンビネーション IS」が利用可能。
RAW現像ソフトウエア「Digital Photo Professional」がPQ(Perceptual Quantization)での静止画表示に対応。RAWデータが持つ豊富な情報を元に、映像の明るい部分と暗い部分の輝度差(ダイナミックレンジ)の広い高画質な画像の表示や編集が可能だとしている。同社独自の入出力連携ソリューションが進化し、Digital Photo Professionalで作成した画像を、プラグインソフトウエア「Professional Print & Layout」により、階調性 などを維持したプリントをすることが可能。HDRプリント機能の使用により、ハイライトエリアの表現を豊かに再現。さらに展示照明最適化機能を使用して出力した印刷物を、明るい照明と合わせることで、ダイナミックレンジを拡大した展示が可能だという。
別売アクセサリーのバッテリーグリップ「BG-E22」
別売アクセサリーのバッテリーグリップ「BG-E22」をEOS Rに装着することで、縦位置撮影でのホールド感が向上。バッテリー(LP-E6NまたはLP-E6)2 本を装填することにより、連続撮影可能時間が拡大。EOS用バッテリーグリップとしてバッテリーの充電機能を初搭載。同梱のUSB電源アダプターPD-E1を使用することでLP-E6Nを最大2本充電可能。