ソニーは、4K(4096×2160ピクセル)液晶パネルを用いた31型のHDR対応マスターモニター「BVM-HX310」を2019年1月に発売する。希望小売価格は税別3,980,000円。
BVM-HX310は、同社の30型4K有機ELマスターモニター「BVM-X300」の画質性能、深い黒と色再現を継承しながら、独自仕様のパネルと、新開発の信号処理技術の組み合わせにより、4K・HDR制作に適した全白時1,000nitsと100万:1の高コントラストを同時に実現している。
同社の業務用モニターとして初めて、1本の同軸ケーブルで4K/60p映像を伝送する映像インターフェース12G-SDIに対応。色域ITU-R BT.2020に加えて、2018年12月開始の4K放送規格となるHLG(ハイブリッドログガンマ)、S-Log3、S-Log3(Live HDR)、SMPTE ST.2084など、主要なHDR方式(EOTF)をサポートする。
機能面では、編集後の映像の色味などを撮影現場でも確認できるユーザーLUT(ルックアップテーブル)に新たに対応。モニターを4分割して表示できる「Quad View(クアッドビュー)モード」を選択すれば、4種のLUTデータを当てた映像を一度に確認することが可能。さらに、4K HDRの各種方式(EOTF)と、色域やRGBレンジなどを組み合わせた複雑なモニター設定を、SDI信号に重畳されているビデオペイロードID(VPID)に基づいて自動での切り替えも可能となる。BVM-HX310の詳細は以下の通り。
(以下、プレスリリースより引用)
1.正確な画質表現を追求したソニー独自仕様の新開発液晶パネルを搭載
本機は、30型4K有機ELマスターモニター『BVM-X300』の画質性能、深い黒と正確な色再現を継承しながら、ソニーならではの液晶パネル技術で、全白時の高い輝度表現を実現しました。
■正確な色再現、広色域、深い黒、100万対1の高コントラストを実現ソニー独自仕様の液晶パネル及びバックライト技術、新開発のパネル信号処理技術により、正確な色再現かつ広色域とピクセルひとつひとつが沈んだ正確な黒を再現します。100万対1の高コントラストで、映像を鮮明に表示します。
■全白時1,000nitsを実現「BVM-X300」に対しピーク輝度のエリア制限が無くなり、4K・HDR制作に適した全白時1,000nitsが可能となりました。
■高解像度、高コントラストな再現を損なわない表面処理液晶表面に施したAR(アンチ・リフレクション)コーティングにより、スクリーン内部からの光の散乱を抑え、4Kの高解像度をありのままに再現します。また、画面の見づらさを生む外光の反射を抑えて、よりコントラストがくっきりと見やすい仕様になっています。
2.12G-SDI※1対応
ソニーの業務用モニターでは初となる12G-SDI※1を、入力/出力で各2系統搭載。同軸ケーブル1本で4K信号を入力できます。
3.ユーザーLUT機能とQuad Viewモードを搭載
本機は、モニターコントロールユニット「BKM-17R」とLAN接続することで、複数のユーザーLUTを事前に登録・保持し、任意のLUTデータを呼び出して映像に反映することが可能です。求めている色再現をロケ現場やポストプロダクションで共有することができ、撮影と編集の連携を深めます。
また、55型業務用4K有機ELモニター「PVM-X550」同様、「Quad Viewモード」を搭載。モニターを4分割表示し、各映像に合わせた設定値(EOTF※3、ユーザーLUT、色域、伝送マトリクス、色温度など)を分割画面ごとに適用することが可能です。SDRとHDRの各映像を同じ画面内で比較できます。
4.ビデオペイロードID(VPID)による自動設定機能を搭載
4K HDRの各種方式(EOTF※3)と、色域やRGBレンジなどを組み合わせた複雑なモニター設定を、ビデオペイロードIDに基づいて自動切り替えすることが可能です。自動設定により、手動による人為的ミスの可能性を無くし、信号情報に基づき適切な設定を行います。
※1:12G-SDIとは、4Kの画像をシリアルデジタル信号として同軸1本のケーブルで、12ギガビット/秒の速度で伝送するインターフェースです。12G/6G/3G/HD-SDIに対応いたします。
※2:ITU-R BT.2020とは、ITU-Rで定められた映像フォーマットの規格です。
※3:Electro-Optical Transfer Functionとは、各放送方式における、電光変換関数(電気信号の信号レベルを光に変換する時の関数)を定めたものです。