Courtesy of Topic Studios and Roadside Attractions

Blackmagic Designの発表によると、映画「ジ・オース」の撮影に数台のURSA Mini Proデジタルフィルムカメラ、グレーディングにDaVinci Resolve Studioが使用されたという。

アイク・バリンホルツ氏が脚本・監督を務めた「ジ・オース」。出演者は同氏を含め、ティファニー・ハディッシュ、ビリー・マグヌッセン、ジョン・チョー、キャリー・ブラウンスタインなど。同作品は、政治的に分断された米国において、家族を崩壊させずに感謝祭を過ごす男の苦難を描いている。米政府が全国民に対して「愛国者宣言」への署名を命じた後、ホリデー中で集う家族間の緊張感が高まる、といったストーリー。

撮影監督のケリー・ラロンデ氏は、同作品の撮影において、URSA Mini Pro PLを1台と、URSA Mini Pro EFを2台、Video Assist 4Kモニターレコーダーを1台使用。さらにカラリストのマーク・サシェン氏とエディターのジャック・プライス氏は、同作品のポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用した。ポストプロダクション作業は、ロサンゼルスを拠点とするポストスタジオ、Sugar Studios LAで行われた。同スタジオはグレーディング用にDaVinci Resolve Advanced Panelを所有しているという。

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ラロンデ氏:URSA Mini Proのデザインとインターフェースは非常に直感的です。撮影中は、3台のカメラにURSA Viewfinderを付けて使用しました。ビューファインダーの装着から、カメラのダイヤルやボタンまで、すべてが非常に自然でした。

指の位置にNDフィルターが搭載されています。屋外の撮影において、照明条件に応じてNDフィルターを調整できるので、撮影時間を短縮できました。

ラロンデ氏は、URSA Mini Proで撮影したフッテージと他のカメラの映像を簡単にマッチできたと話す。これにより、映像間の一貫性に関する問題を心配する必要はなかったという。

ラロンデ氏:例えば、6人が登場するシーンで、URSA Mini Pro PLの他に2台のカメラを使用しました。3台のカメラを使用して、3方向から同時に撮影しました。1つのセットアップで4ページのシーンを撮影するには、これが最も効率的でした。

各カメラはフラットな2ショット用にセットアップされた。同シーンは即興的な要素が多いため、これが良い結果をもたらしたとしている。

また、ラロンデ氏と撮影チームは、2台のURSA Mini Pro EFでエスタブリッシング・ショットを撮影したという。

ラロンデ氏:これは、特に日没時のマジックアワーの撮影で役立ちました。物語の進行を表現するために、従来のカメラアングルと従来とは異なるカメラアングルの両方を使用して、昼と夜の家の雰囲気を確立させようとしました。そうすることで、家の雰囲気を映画自体の雰囲気とマッチさせる必要があったんです。この映画は伝統的なスタイルで始まりますが、物語が進行するにつれ、徐々に脱線していくような感じがあります。

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サシェン氏は、撮影現場のデイリーのグレーディング、および最終的なグレーディングを、DaVinci Resolve Studioで行なった。また、サシェン氏は撮影現場で、後のアシスタントの編集作業を助けるために、DaVinci Resolve Studioでメタデータの入力、デイリーの同期、素材確認用のタイムライン作成など、様々な作業を行なった。その後、プライス氏はDaVinci Resolve Studioで作業を続行し、同作品の編集を完成させた。

プライス氏:編集中、私は異なるテイクを分割スクリーンで表示できる機能が大好きです。出演者のベストテイクを確実に選択できるからです。台詞のないシーンでも同様です。特に「ジ・オース」では、出演者がニュース放送に踊らされるシーンが多いので、この機能を多用しました。ピクチャー・イン・ピクチャー編集やイメージスタビライゼーションなども、DaVinci Resolveでは朝飯前です。

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プライス氏:全体的に、DaVinci Resolve Studioのレイアウトとキーボードショートカットは非常に直感的に使用できます。編集では、技術的な問題に対処するための時間を大幅に削減できます。より多くの時間を物語の展開や感情の表現に費やすことで、編集の質が上がりますDaVinci Resolve Studioには、天文学的とも言える数のオプション機能が搭載されています。何か特定の機能が必要な場合でも、その機能はDaVinci Resolve Studioに搭載されている可能性が高いでしょう。ビデオ再生も極めて洗練されており、ネイティブ2K ProRes 4444ファイルをMacBook Proで編集するのも簡単でした。