2019年2月 深夜の渋谷スクランブル交差点4面街頭ビジョンに突如現れた、海を見る人々と波の音。2019年2月3日から2月9日までの一週間、毎晩午前0時から1時までの一時間、深夜の渋谷を騒然とさせたのは、現代アート界を代 表するフランス人アーティスト、ソフィ・カルによる映像アート作品「海を見る」。

このソフィ・カル映像作品、渋谷メディアジャックの企画制作は、株式会社NION代表守屋貴行によって手がけられ、株式会社ビズリーチによる協賛、ペロタン東京の協力のもと実現した。

深夜の渋谷を騒然とさせ、アート界の話題が集中した本プロジェクトについて、ソフィ・カル自らが語る 「Voir la mer 海を見る」映像がNION制作のもと公開となった。

『Voir la mer(海を見る)』- Shibuya Crossing by Sophie Calle(2019): (Director: Satoshi Watanabe, Produced by NION)

「昨年パリで初めてソフィ・カルと実際に会った時に、彼女が2017年にニューヨークのタイムズスクエアで 行った「Voir la mer (海を見る)」上映を、東京で行うことはできないか、と話を頂いた時からペロタン東京と共に今プロジェクトが始まりました」「海に面した土地ながらも、生まれてから一度も海を見たことない内陸部に住み続ける貧困差別の対象となるイスタンブールの人たちが、初めて海を見る瞬間を捉えた作品「海を見る」を、ギャラリーではなく、東京の顔ともいえる、渋谷スクランブル交差点で上映することに意味があった」と企画制作担当をした守屋貴行氏。

豊かさと賑やかさが混沌とする渋谷で、街頭ビジョン4面に映しだされる、初めて海を見るイスタンブール の人々の映像と、交差点にこだまする海の音ー。 普段は広告や音楽が多方面から流れる渋谷スクランブル 交差点で、突如始まったソフィ・カルの映像作品上映への「違和感」に、多くの人が足を止め、作品をすでに 知っている人も知らない人も、思いのまま時間を過ごし、上映が行われた一週間。最終日には作品について 聞いた人たち多くが、渋谷に駆けつけた。涙する人たちも多く、印象的かつ非現実的な渋谷が光景が広がった。

渋谷という場で、多くの人たちが足を止めて感じる『違和感』を作り上げたかった。普段なら滅多にみる ことのできないアート作品を多くの人が行き交う渋谷の中で、少しでも『違和感』を感じたり、一瞬でも作品について考えたり何かを感じてもらうことが、今作の目的でした。

すべてを理解できなくても“何か”を感じ取ってくれる人がひとりでも多くいればいいなと。

日本はもの作り、文化を作り出してきた歴史は長いものの、展示や人目に触れられる場所が非常に少ない。今後も多くのプロジェクトをプロデュースして、型にとらわれることなく、多くの人がアート作品と対話をできる機会をつくりあげていく予定です。

と守屋貴行氏は語った。

ソフィ・カルの作品展示について NIONが企画制作を担当した、「海を見る」渋谷スクランブル交差点放映と並行して、現在ソフィ・カルによる個展がペロタン東京、原美術館、ギャラリー小柳の3箇所で同時開催中だ。

個展概要

■「限局性激痛 原美術館コレクションより」

  • 場所:原美術館
  • 期間:2019年1月5日~3月28日
  • ■「Ma mère, mon chat, mon père, dans cet ordre(私の母、私の猫、私の父、この順に)」

  • 場所:ペロタン東京
  • 期間:2019年2月2日~3月10日
  • ■「Parce que(なぜなら)」

  • 場所:ギャラリー小柳
  • 期間:2019年2月2日〜3月5日