Blackmagic Designは、DeckLink 8K ProのメジャーアップデートDesktop Video 11.0を発表した。同アップデートは、同社Webサイトから無償でダウンロード可能。
同アップデートにより、同カードの4つの12G-SDIコネクターを使用して、4系統の独立したビデオストリームをキャプチャーおよび再生可能となった。また今回のアップデートでは、ハイエンドの劇場映画を手がけるユーザー向けに、HDRメタデータパッキング(SMPTE ST2108-1)と、HLGおよびPQ転送特性(SMPTE ST2082-10)のサポートも追加された。
新しくマルチチャンネルがサポートされたことで、DeckLink 8K Proは4枚の独立したPCIeキャプチャー・再生カードと同等の機能を実装。最大60fpsのUltra HDおよび4K DCIまで、異なるフォーマットおよびフレームレートをあらゆる組み合わせでキャプチャーまたは再生可能。新しく搭載されたマルチチャンネルサポートは、無償のDeckLink SDKを使用して有効化できるため、デベロッパーはDeckLink 8K Proのマルチチャンネル機能のサポートに迅速に対応できるとしている。
デベロッパーは無償のDeckLinkソフトウェアデベロッパーキットを使用して、12G-SDIコネクターをキャプチャーまたは再生用の独立したチャンネルとして使用できるようソフトウェアを設定可能。または、2系統のフィル&キー同時出力として設定することも可能だ。また同製品は、多数のスクリーンで再生を同期させる巨大なデジタルサイネージ再生システムにとっても理想的なソリューションとなった。使用目的がキャプチャーであるか、再生であるか、その両方であるかに関わらず、1枚のカードで4枚分の機能が使用できることになる。
また、ハイエンドのHDRプロジェクトを手がけるユーザー向けに、HDRメタデータパッキング(SMPTE ST2108-1)と、HLGおよびPQ転送特性(SMPTE ST2082-10)を追加。メタデータを使用するこの方法では、輝度マッピングを極めて細かい粒度で表示でき、コンテンツ作成者の意図をワークフロー全体を通して伝達できるとしている。HDRコンテンツをSDI経由で出力できることは、同製品がHDRコンテンツ制作の将来を保証するソリューションであることも意味しているという。
また、Ultra HDおよび4K DCIモードでのクアッドリンクによるサンプルインターリーブ信号のサポートも追加となり、DeckLink 8K Proは今まで以上に多くのクアッドリンクSDI機器やワークフローに対応できるようになった。さらに、リファレンス(ゲンロック)入力信号を使用することで、複数のDeckLinkカードで、SDI経由の完璧に同期したキャプチャーおよび再生を実行できる機能もサポートされた。
Blackmagic Design CEOのグラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。
DeckLink 8K Proは、HD、4K、8Kのワークフローで使用できる、将来を保証するソリューションとして開発しました。Desktop Video 11がエキサイティングな理由は、これが無償アップデートであることです。ユーザーの皆様は、現在ご利用いただいている弊社製品にさらなるハイエンド機能を追加できます。新しいカードを購入する必要はありません。最新のフォーマットやフレームレート、解像度、HDRワークのサポートを追加できます。お手持ちの8Kカードに、4枚の独立した4Kカードと同等の機能を実装できます。非常にエキサイティングなアップデートです!