ARRIは、新しいラージフォーマットカメラシステム「ALEXA Mini LF」を発表した。2019年半ばに出荷開始予定。

ARRIが2018年に発売したラージフォーマットカメラシステムは、ALEXAセンサーの4.5Kバージョンをベースとしており、35mmフォーマットのALEXAカメラのセンサーと比べ、サイズ、解像度とも2倍となっており、ALEXAセンサーの特徴である自然な色再現性や、心地よいスキントーン、低ノイズ、ハイダイナミックレンジ(HDR)と広色域(WCG)のワークフローでの適合性が向上しているという。

今回、ALEXA Mini LFがシステムのファミリーに新たに加わりる。現在のシステムは高速ALEXA LFカメラ、ARRIシグニチャープライムレンズ、LPLレンズマウント、PL-to-LPLアダプタ-、レンズデータシステムLDS-2があり、ARRIのラージフォーマットカメラ2機種の機能とフォームファクターの組合せで、撮影現場におけるあらゆる要請に応えることができるとしている。

ALEXA Mini LFは、耐久性に優れたカーボンボディを持ち、-20°Cから+45°C(-4°F~+113°F)の範囲の使用環境に対応している。

ALEXA Miniのアクセサリーほぼすべてと互換性があるが、定格12Vおよび24Vの電源入力を含む追加コネクターや、新しい6ピンオーディオコネクタ-、内蔵マイク、改良されたWi-Fiなど、設計が向上している。6つのユーザーボタンがカメラの左側に配置され、カメラとビューファインダーにはそれぞれ独自のロックボタンがある。ユーザーが収録メディアや、VFコネクター、TCコネクターへ容易にアクセスできるようになっている。

ALEXA Mini LFは、MXF/ARRIRAWやMXF/Apple ProResを様々なフォーマットやアスペクト比で内部収録可能。Codexの新しい収録メディアであるコンパクトドライブを搭載した初のカメラだという。USB-Cコンパクトドライブリーダーが付属しており、ソフトウェアやライセンスを追加することなくMacやWindowsのコンピューターで使用可能。さらに、コンパクトドライブアダプターは、SXRキャプチャードライブを受け入れるすべてのドックで使用でき、ダウンロード速度が2倍以上となる可能性がある。

Codexハイデンシティエンコーディング(HDE)では、高機能でロスのないエンコーディング技術を使用し、ダウンロード中またはワークフローの後半にARRIRAWファイルのサイズを約40%縮小でき、ストレージコストの削減、転送時間の短縮、ワークフローの高速化が実現し、時間とコストを直接40%削減可能。ARRIRAW Open Gate 4.5Kのデータは、最新のMacBook Proを使って24fpsでエンコードできるようだ。

ALEXA Mini LF用MVF-2ビューファインダーの心臓部にあたるのは、ALEXA LFのEVF-2ビューファインダーと同じ高コントラストHD OLEDディスプレイ、カラーサイエンス、そしてARRICAMアイピース。さらに、MVF-2は、画像やカメラ操作メニューを表示できる4インチの大型フリップアウトモニターを搭載している。MVF-2はカメラのどちら側でも使用可能。またリモートカメラ操作のために、最大延長10mの柔軟で信頼性の高いCoaXPress VFケーブルを接続可能。曇り止め用のアイピースレンズヒーターやヘッドフォンコネクターの内蔵が特徴だ。

ARRI Cine TechnikのマネージングディレクターでCamera Systemsビジネス部門の責任者であるStephan Schenk氏は次のようにコメントしている。

ALEXA Mini LFは私たちのラージフォーマットシステムに加わる素晴らしい新製品であり、ALEXA LFを置き換えるのではなく補完するものです。ALEXA LFは優れた高速カメラで、その機能は4.5K解像度の150fpsと総合画質が大切なコマーシャルにおいては特に重要なことです。実際、ARRIFLEX435は撮影現場でARRICAMをなお補完しています。Mini LFの追加によって、私たちはあらゆる撮影の要請に応えられるようになります。

なお、ALEXA Mini LFは2019年4月8日から11日(米国時間)に米国ラスベガスで開催されるNAB2019の同社ブース(セントラルホール/C6325)にて展示予定だ。