Blackmagic Designは、新製品「Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDR」を発表した。2019年5月発売予定。希望小売価格はUS$1,295(国内:税別147,800円)。

Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDRは、大画面テレビやビデオプロジェクター向けの8Kモニタリングソリューション。フロントパネルはボタンおよびビデオモニタリング用カラーディスプレイを搭載している。画面には、オーディオメーターおよびビデオフォーマットが表示可能。HD、Ultra HD、8Kフォーマット用にクアッドリンク12G-SDIをリアパネルに搭載。クアッドHDMI入力を使用する8Kテレビ用に4つのHDMI出力を搭載しており、さらにUltra HDやHDテレビで8Kソースを使用できるようにダウンコンバーターも搭載している。また、2SI(2サンプル・インターリーブ)とスクエアディビジョンを自動的に変換できる。

HDRワークフローに必要な機能を搭載しており、HDMIディスプレイを接続するだけで、HDRのSDIモニタリングを実行可能。VPID(ビデオペイロードID)のPQおよびHLGフォーマットの静的メタデータは、ST2108-1、ST2084、ST425規格に従って扱われる。Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDRは、SDR、HLG、PQの転送特性を示す、VPIDの2ビットを追加で定義するST425に準拠している。また、SDIを介したHDR静的または動的メタデータの転送方法を定義するST2108-1、12G-SDIに対するST2082-10、3G-SDIソースに対するST425にも準拠している。Rec.2020およびRec.709カラースペース両方と、DCI-P3フォーマットの100%をサポートしている。

完全に独立した2つのオンスクリーンスコープを搭載しているため、放送基準を満たしているか簡単に確認できるという。スコープはスクリーンにオーバーレイとして表示されるため、位置、サイズ、不透明度をカスタマイズ可能。スコープは、以下から選択できる。波形スコープは、入力信号の輝度レベルを表示する。ベクトルスコープでは、SDIリファレンスレベルの100%を確認可能。また、RGBおよびYUVパレード表示にも対応しており、カラーコレクションや不正レベルのチェックに使用できる。ヒストグラムは、イメージ内のホワイトからブラックへのディテールの分布を示しており、ハイライトやシャドウのクリッピングが確認できる。

また、33ポイント3D LUTを搭載しており、接続したディスプレイをキャリブレーションすることも可能。サードパーティ製のUSBカラープローブを接続することで、Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDRがモニターを分析し、ディスプレイ間の色の違いを修正する3D LUTを生成する。2つの独立した3D LUTをロードでき、フロントパネルから選択できる。

モニターは、同一のモデルでも、それぞれ少しずつ異なるため、モニターが適切なカラーか判断するのは難しいが、Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDRは、サードパーティ製のUSBプローブを使用して、モニターを自動的に調整可能。SpectraCal C6、X-Rite i1 Display Pro、Klein K10-Aのプローブがサポートされており、コンバーターの前面に接続できる。コンバーターが全ての処理を行い、キャリブレーション中にテスト信号を自動的にモニターで生成する。

すべてのクアッドリンク12G-SDI入力に対して、他の機器にループできる出力が搭載されている。また、放送・映画業界で使用されている、あらゆるHD、Ultra HD、8Kフォーマットに対応。720pでは50p、59.94p、60p、1080iでは50i、59.94i、60i、1080p、1080PsF、2160pでは23.98から60fpsまでをサポート。さらに、2Kおよび4K DCIでは23.98から60pに対応。4320p 8Kフォーマットは、23.98、24、25、29.97、50、59.94をサポート。2SIからスクエアディビジョンに変換する機能を内蔵しているため、8Kソースはモニターに合わせて自動的に変換される。Teranex Mini SDI to HDMIは、Level AおよびBの3G-SDI、YUVおよびRGBにも対応。

フロントパネルのLCDでは、映像だけでなくオーディオレベルのメーターも表示されるため、正確なモニタリングが可能だという。全機能のメニューが搭載されており、メニューページをスクロールすると必要な設定を簡単に探せすことができる。ボタン1と2を押すだけで、3D LUTを有効にでき、キャリブレーションもメニューから実行でき、ディスプレイに操作の指示が表示される。オーディオメーターは、VUとPPMで切り替え可能。HDMI Instant Lockを有効にすれば、入力ビデオが中断された場合にHDMIディスプレイが瞬時にロックされる。スコープの種類の選択、位置や不透明度の調整用の設定も搭載。さらに、ネットワーク設定の確認および編集も可能。

Teranex Mini Rack Shelfを追加することでラックマウントが可能。ラックシェルフのメタルトレイはコンバーターを固定し、棚にネジ留めできる。Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDRにはゴム製の脚が含まれおり、デスクトップでの使用の際にコンバーターの底面に取り付けて使用できる。Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDRの主な機能は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

  • SDIおよびHDMI経由でHDRのサポート
  • 2つの内蔵スコープ。モニターにライブでオーバーレイ表示
  • 映画業界レベルの高品質33ポイント3D LUT
  • カラープローブを使用した自動モニターキャリブレーション
  • 8K対応の最新のクアッドリンク12G-SDI入力
  • 8Kをダウンコンバートし、Ultra HD/HDディスプレイで表示
  • モニタリングおよびメニュー設定用のLCDを内蔵
  • MacおよびWindows対応のユーティリティソフトウェアを同梱
  • 最新の8Kテレビおよびプロジェクターに対応
  • デスクトップまたはラックマウントで使用可能

なお、Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDRは、2019年4月8日から11日(米国時間)に米国ラスベガスで開催中のNAB2019の同社ブース(サウスホール/SL216)にて展示されている。