キヤノンは、EOS Rシステムの交換レンズ「RFレンズ」の新製品として、大口径中望遠単焦点レンズ「RF85mm F1.2 L USM」を発表した。発売日は2019年6月下旬。希望小売価格はオープン。同社オンラインショップでの販売予定価格は税別332,500円。

RF85mm F1.2 L USMは、描写性能や操作性、堅牢性などで最高水準の性能を追求した「L(Luxury)レンズ」。EFマウントと同じ内径54mmのマウント径と、ミラーレスカメラならではのショートバックフォーカスというRFマウントの特長がもたらすレンズ設計の自由度を生かし、焦点距離85mmの同社製交換レンズにおいて最高レベルの画質を実現したとしている。

開放F値1.2の大口径により、シャッター速度を速めてブレを抑えた撮影ができるため、夜間や屋内などの暗いシーンにも好適だという。BRレンズ1枚、UDレンズ1枚、研削非球面レンズ1枚の特殊光学材料を含む、9群13枚の光学設計。口径の大きなレンズをカメラの撮像面に近い位置に配置することにより、焦点距離85mmかつ開放F値1.2を両立。最短撮影距離は0.85m。

レンズの材料を分子構造設計から見直して開発した有機光学材料「BR(Blue Spectrum Refractive)光学素子」を凹凸のガラスレンズで挟み合わせた、同社独自の複合レンズ「BRレンズ」を採用。BR光学素子は、青色(短い波長域)の光を大きく屈折させる特殊分散特性を備えており、これまで1点に集光することが困難だった可視光の波長全域を限りなく1点に集光させることができるため、高水準の色収差補正を実現したという。

同社独自開発のBRレンズとUDレンズの組み合わせにより、大口径レンズに出やすい色にじみを抑制し、優れた色収差補正を実現。 特殊コーティング技術「ASC(Air Sphere Coating)」を採用しており、画質劣化の原因となるフレアやゴーストを抑制。絞り開放時においても画面中心から周辺部まで高解像・高コントラストな描写性能を達成している。

通常ガラスと「BRレンズ」の違い。左:通常ガラスのレンズ、右:BRレンズ

フォーカスリングに加え、露出補正や絞り数値の設定などを任意に割り当てて使うことができるコントロールリングを搭載。電子ビューファインダー(EVF)で撮影後のイメージを確認しながら、コントロールリングを操作することで、より直感的な操作が可能となった。

また、マウント部、スイッチパネル、コントロールリング、フォーカスリングに防じん・防滴構造を採用。レンズ鏡筒内部のメカ構造の見直しにより、高い耐久性、耐振動衝撃性を実現している。