Blackmagic Designの発表によると、イギリス人脚本/監督デュオである「The Brothers Lynch」による、新作短編SFシリーズ「Zero」の撮影にURSA Mini Proが使用されたという。

ゲーム・オブ・スローンズのベラ・ラムジーが主演を務める「Zero」は、ニューヨークの今年のトライベッカ映画祭にて上映され、ヨーロッパではSciFi Londonでリリースを予定している。両氏は「Gwen」や「Poldark」などで知られるアダム・エザリントン撮影監督に協力を依頼した。

デビッド・リンチ氏:URSA Mini Proは最適な選択でした。インディーズ映画の予算でも、RAWでの撮影によりフッテージを最大限に活かすことができました。ジャンルの性質上、多数のVFXショットがあり、カメラのフル解像度で撮影することで、10-bit DPXでマスタリングできたので、ポストプロダクションで柔軟性のある、精度の高いフッテージを使用できました。

エザリントン氏は、URSA Mini Proは軽量であるため「Zero」の独特なセットでの撮影に柔軟に対応できたと語る。

エザリントン氏:この短編の撮影はほとんど、古びた家屋内で行われました。この建物は、登場人物たちにとって避難場所でもあり、監獄でもあるのです。当初は、作品全体を通してスライダーやドリーを使用して撮影しようと話していたのですが、家の中を動き回るのは難しいという判断に至りました。代わりに、大部分を肩乗せで撮影することに決めました。

レンズには、焦点距離の範囲が優れている、Zeiss Super Speed MKIIを使用しました。T1.3で、高速に機能してくれたため、ソフトな映像が得られました。これにより、主要な登場人物に対して視聴者が親近感を覚えることができる画像が撮れたと思います。

照明には、主にHMIの2.5kwと4kwを使用して、現場を囲むように配置して撮影したという。これは、演出上の選択でもあったが、撮影前のテストで得たカメラセンサーの情報に基づくものでもあった。

エザリントン氏:ハンドヘルドで撮影していたので、監督の判断に合わせて、照明を調整する必要なく動き回れるようにすることが重要でした。そこで、窓を白飛びさせるために、強烈な照明を直接当てることにしました。これにより、一定方向に向いた強い光が得られたので、スタッフと出演者が自由に動き回ることができ、さらに窓から外の世界が見えないため、息苦しく窮屈な雰囲気を生み出すことに成功しました。

今回は、URSA Mini Proを最大限に使用したと言えますね。URSA Mini Proのラティチュードとダイナミックレンジにより、外の世界を隠すためにハイライトを急激にロールオフさせることができました。また、黒布などを使って陰影を強調させる手法も取り入れることができました。

SFチャンネルのDUSTの一環としてGunpowder&Skyによる資金提供のもと撮影された短編の同作は、リンチ兄弟により現在、長編映画化が進められている。