ソニーは、同社のフルサイズミラーレス一眼カメラ「α9」と同等の高速・AF性能を搭載したデジタルスチルカメラサイバーショット「RX100 VII」を2019年8月30日に発売する(予約販売の受付は7月31日10時)。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税別145,000円前後。

RX100 VIIは、新開発のメモリー一体1.0型積層型CMOSイメージセンサーExmor RSを搭載。α9と同等の、連続撮影中に最大60回/秒でAF/AE演算処理を実現し、動きやスピードに緩急のある動体に対しても、高い精度でのAF/AE追従が可能だという。357点の像面位相差検出AFと、425点のコントラスト検出AFだけでなく、0.02秒の高速AFにより、ピント合わせが難しいシーンでも被写体を高精度にとらえるとしている。

また、新開発のイメージセンサーにより、最大60回/秒のAF/AE追従の最高20コマ/秒のブラックアウトフリー連続撮影を実現。撮影中のEVF/液晶モニターへの表示更新を60回/秒の頻度で行うことにより、タイムラグを最大限抑制し、ブラックアウトがない、肉眼で被写体を捉えているような連続撮影が可能だという。

リアルタイムトラッキング瞳AF

AIを用いて色や模様(輝度)、被写体距離(奥行)からなる空間情報をリアルタイムに高速処理し、動体を高精度に追従し続けるリアルタイムトラッキングに対応。被写体が人物の場合にはリアルタイムに顔/瞳情報を検出し続けることで、被写体を追従し続ける。さらに、AIにより即時に瞳情報を検出しフォーカスを合わせ続ける、リアルタイム瞳AFは、左右の瞳の選択も可能。リアルタイム瞳AFは人物だけでなく、新たに犬や猫などの動物にも対応する(静止画のみ)。加えて、被写体をモニター上でタッチすることで自動でフォーカス追従するタッチトラッキングにも対応している。

新機能「ワンショット連続撮影」は、1回のレリーズで1/90秒のスピードで7枚の静止画(JPEG/RAW)を撮影可能

1回のシャッターレリーズで90コマ/秒・60コマ/秒・30コマ/秒のいずれかの速度で7枚の静止画を連続撮影することができるワンショット連続撮影機能を初搭載(一度の撮影で7枚の静止画が撮影され、フォーカスと露出は最初の1枚に固定される)。テニスのインパクトの瞬間など、従来の連写速度ではコマ間に落ちてしまうような一瞬を超高密度で捉えることができ、アンチディストーションシャッターによる歪みの少ない撮影が可能だとしている。また、最大画素でRAWでのワンショット撮影にも対応。

ZEISSVario-Sonnar(バリオ・ゾナー)T* 24-200mm(画角:35mm判相当)F2.8-4.5の広角から望遠までをカバーするズームレンズは、12群15枚のレンズを有しながら、8枚の非球面レンズを効果的に配置し、全群をズーム可動させることにより、RX100シリーズのボディサイズに収まる小型化を実現。同社独自の高度非球面AA(advanced aspherical)レンズ4枚と2枚のED(特殊低分散)ガラスで、望遠撮影時に目立ちやすい色収差を良好に補正する。

200mmの望遠端において4.0段分(CIPA規格準拠。Pitch/Yaw方向、200mm(画角:35mm判相当)時)の補正効果をもつ光学式手ブレ補正機能や画像処理アルゴリズムにより、望遠や暗所でも手ブレを抑えて高画質に撮影できるという。有効画素数は約2010万画素、また常用ISO感度は100~12800(拡張ISO感度は64/80)の感度域に対応。加えて、イメージセンサー上のカラーフィルターを刷新することで色再現性が高まり、人物撮影における肌色や、鮮やかな花などを自然な印象で忠実に描写するとしている。

画素加算のない全画素読み出しによる4K(3840×2160)動画の本体内記録に対応。従来機種に比べて動画撮影時のAFの速度・精度・追従性が大幅に向上したほか、像面位相差AFや、RXシリーズで初めて動画撮影時にリアルタイムトラッキングとリアルタイム瞳AFを搭載。

マイク端子を新搭載

また、HDに加えて新たに4K動画撮影時のアクティブモードでの手ブレ補正に対応したことにより、従来比最大約8倍の手ブレ補正効果で歩きながらの撮影でもブレの少ない映像を撮影可能。そのほかにも、マイク端子を新たに搭載したことにより、外付けマイクの取り付けが可能になった。加えて、4K HDR(HLG)やS-Log3のほか、新たにタイムラプス動画の生成が可能な本体内インターバル撮影機能や縦位置で撮影した動画をスマートフォンなどへの転送後も縦のまま動画を再生・編集することができる縦位置情報記録に対応。

シューティンググリプキット「DSC-RX100M7G」

動画作品制作に便利なシューティンググリップキット(DSC-RX100M7G)も同時発売となる。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税別155,000円前後。RX100 VII本体と、手元でズームや撮影操作が可能なシューティンググリップ(VCT-SGR1)、マイクなどのアクセサリーを装着することができるアクセサリーシュー対応のブラケットとバッテリーパックがセットになっている。本体の可動式液晶モニターと組み合わせることで自分撮り、Vlog(ビデオログ)、ハイアングルやローアングルなどの多様なスタイルでの撮影が行える。

セット内容

  • 「RX100 VII」本体
  • シューティンググリップ(VCT-SGR1)
  • ブラケット
  • リチャージャブルバッテリーパックNP-BX1×2個(本体同梱分×1個を含む)

また、別売アクセサリーとして、装着時も各種端子を使用可能な、RX100シリーズ対応のジャケットケース「LCJ-RXK」も同日発売となる。希望小売価格は税別8,900円。ケースをカメラ本体に装着した状態で、チルト液晶の角度を変えたり、三脚が使用できるほか、充電やマイク端子への接続、Wi-Fi/NFCを使用したデータ転送も行える。カラーはブラックとベージュの2色。持ち運びに便利なショルダーストラップも付属している(対応機種:「RX100」「RX100 II」「RX100 III」「RX100 IV」「RX100 V」「RX100 VI」「RX100 VII」)。