Blackmagic Designの発表によると、インド映画「Kumbalangi Nights(原題)」が、フリーランスのカラリストであるリメッシュ・CP氏によりDaVinci ResolveおよびDaVinci Resolve Advanced Panelを使用してグレーディングされたという。

リメッシュ氏は、カラリストとしての10年以上のキャリアの中で、100本以上の劇場映画および短編映画、そして250本以上のテレビCMのグレーディングを手がけてきた。リメッシュ氏は、インド南西部のケーララ州に拠点を置くLalmediaで、フルタイムのカラリストとして活躍しており、インディーウッドから国内の優秀カラリストとして特別認定を受けている。

リメッシュ氏は南インドにおける数多くのプロジェクトのグレーディングにDaVinci Resolveを使用している。高い評価を得た「Kumbalangi Nights」はその一例であり、現在は「Brothers Day」、「Ganagandharvan」、「Under World」、「Vikruthy」(いずれも原題)などの作品のグレーディングを手がけている。

リメッシュ氏:私は、ほぼすべてのプロジェクトでDaVinci Resolve Studioを使用しています。非常にシンプルで使い勝手が良いんです。特にDaVinci Resolve Advanced Panelは色彩値を正確に微調整できるので、とても気に入っています。DaVinci Resolve Advance Panelの一番の利点は、ほぼすべての重要な機能が、指先に配置されていることだと思います。

「Kumbalangi Nights」は、とある4兄弟の愛憎の入り混じった関係性を描いている。兄弟の1人が恋に落ち、それを応援する決意をした兄弟達の関係性は次第に変化していくという物語。同作で、リメッシュ氏はカメラマンのシュジュ・ハリド氏とDIプロデューサー/エディターのサイジュ・スリードハラン氏と協力し、明るく鮮やな色彩を持つ海辺の田舎町のルックと雰囲気を作成した。

シュジュは、ストーリーや人物を美しく撮影してくれたので、要求されている雰囲気を作成するのに大いに役立ちました。なんの変哲も無い田舎町を魅力的に描き出す必要があったのですが、これは同作のカラーコレクションの一番の難関でしたね。もちろん、DaVinci Resolveに頼りっぱなしでした。

カラリストとしての立場から、カラーグレーディングソフトウェアにDaVinci Resolveを選択した理由は、ウィンドウトラッキング、スタビライザー、セカンダリーコレクション、カーブなど、その機能の豊富さでしょう。「Kumbalangi Nights」では、これらの機能をフル活用しました。

最近の作品である「Children’s Park」と「Abrahaminte Santhathikal」では、2つの全く異なるジャンルのルックが求められたという。「Abrahaminte Santhathikal」では、殺人の罪を着せられた男を描いた暗い雰囲気と向き合った。一方「Children’s Park」は、三人組と孤児院を描いた軽いタッチのコメディである。DaVinci Resolveを使用したことで、リメッシュ氏はこれらの映画のグレーディングの作業と微調整をジャンルを跨いで同時進行できた。

「Abrahaminte Santhathikal」では、アルビー撮影監督のテイストに合うDaVinci Resolveのオプションを使用しました。映画のテーマに沿ったシリアスで不快なテイストにするため、色味を抑える必要がありましたね。一方子供向けの「Children’s Park」は、エンターテインメント性が高く楽しめる作品にする必要があったので、DaVinci Resolveを使って、各シーンを明るい色で処理したり、緑のバックグラウンドをトーンアップすることで、全編を通じて背景を明るい雰囲気にしています。

インドでは、映画やCM業界の多くでDaVinci Resolveが使用されている。このことは、リメッシュ氏がキャリアを広げ、より高予算の作品に携わる助けとなっているという。

州や国からの受賞歴を持つ撮影監督たちと一緒に仕事をする機会を得たことで、より多くの人たちに知ってもらえるようになりました。これまでに携わってきた一つ一つの作品が、経験値を上げ、多くのことを学んでいます。特にこの世界の見方と見せ方ですね。カラリストとして仕事を始めたころは、高額の予算を投じた作品やスターが出演する映画に携わることが夢でした。私が今日、このような仕事ができる立場にいるのは、DaVinci Resolveのおかげによるとことが大きいですね。