ソニーは、Xperiaとして初めて第5世代移動通信システム(以下:5G)のSub6(6GHz未満の周波数帯)に対応したフラッグシップスマートフォン「Xperia 1 II」を商品化することを発表した。本年春以降に日本を含む国・地域で発売予定。カラーはブラック、ホワイト、パープルの3色。

Xperia 1 IIは、ソニーのレンズ交換式デジタル一眼カメラαで培った技術により、60回/秒(標準レンズのみ)のAF/AE演算を行うコンティニュアスAFを可能にし、AF/AE追従最高20コマ/秒の高速連写を実現。動いている子どもや動物の撮影、動きが速く不規則なスポーツ撮影などにおいても、高い精度で被写体にフォーカスを合わせて追従するとしている。また、5Gの高速通信により、撮影した大容量データもより高速に送信可能。

AIによる瞳検出により即時に瞳にフォーカスを合わせる「リアルタイム瞳AF」を新搭載。人物に加えて新たに動物の瞳も検出し、素早く動く動物の瞳にもフォーカスを合わせて追従する。また、マニュアル操作でこれらの撮影を可能にする新機能「Photography Pro」では、マニュアル露出やシャッタースピード優先といった撮影モードダイヤル、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなどを自在に変更可能。

メインカメラにはZEISSレンズを新たに採用。階調、色再現、透明感、立体感、ぼけ味など、被写体の微細な質感までを忠実に再現する。さらに、T*コーティングにより、画質低下の原因ともなるフレアやゴーストを最小限に抑え、クリアな描写を実現。また、有効画素数約1220万画素のイメージセンサーを採用した、焦点距離24mmの標準レンズ(F1.7)、70mmの望遠レンズ(F2.4)、16mmの超広角レンズ(F2.2)(35mm換算)と、3D iToFセンサーを搭載。さらに、標準レンズと超広角レンズのセンサーにはデュアルフォトダイオードを搭載し、あらゆるシーンで最速0.03秒の高速AFが可能だという。

暗いシーンでも物体を立体的に検知する3D iToFセンサーを新搭載。3D iToFセンサーとデュアルフォトダイオードにより、暗所でも高速・高精度なオートフォーカスが可能。多くの光を取り込める1/1.7”大判センサーの新採用、より大きなピクセルピッチ(1.8µm)の採用により、標準レンズ使用時に従来比(Xperia 1比)約1.5倍の高感度撮影を実現している。また、画像処理エンジンBIONZ X for mobileによる画像圧縮前のノイズ低減処理などにより、暗所でも明るくノイズの少ない高精細な写真を撮影できるとしている。動画撮影においては、光学式(OIS)と電子式(EIS)の手ブレ補正を独自のアルゴリズムで組み合わせたハイブリッド手ブレ補正も搭載。

21:9アスペクト比で映画のような質感や色表現でクリエイティブな撮影体験を楽しめる「Cinematography Pro」は、映像制作現場のクリエイターの声を反映した新機能を搭載。新たに2K 10bit HDRに対応した120コマ/秒のハイフレームレート撮影が可能なほか、従来の24コマ/秒、30コマ/秒に加えて、60コマ/秒、25コマ/秒の4K 10bit HDR撮影を実現。また、水準器やタッチAF、ホワイトバランスのカスタム設定、適正露出を表示して設定できるメータードマニュアルなどの機能が追加されている。さらに、ソニー独自開発の音源分離技術で風雑音のみを除去する「インテリジェントウィンドフィルター」を新搭載し、低ノイズのクリアな録音が可能だという。

映画とほぼ同じアスペクト比の21:9、約6.5インチの4K HDR対応有機ELディスプレイを搭載。5Gの高速通信により4Kコンテンツもスムーズなストリーミング再生が可能。また、同機が対応する立体音響技術「Dolby Atmos」には、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと協業した独自のチューニングを実装し、音の定位感や立体感の再現性を強化している。

映像制作の基準器として使われているソニーのマスターモニターを手掛ける部門が監修した色設定「クリエイターモード」を搭載。10bitカラー相当の階調表現や、UHD(Ultra HD)の放送規格ITU-R BT.2020の色域、10bit信号に対応した独自開発の画像処理で、映像制作者の意図した表現を再現するとしている。

また、ブラビアで培った高画質化技術X1 for mobileにより、SDR映像コンテンツをHDR相当の画質で美しく表示する「HDRリマスター」を搭載。また、90Hzディスプレイ相当の残像低減を実現する残像低減技術の新搭載により、クリアな映像を実現。さらに、標準光源/色温度からホワイトバランスを選択できる設定を新たに追加し、印刷した写真の色味を忠実に再現するなど、ディスプレイの色味を用途に応じて変更可能だ。

ソニー・ミュージックエンタテインメントとの協業により、ボーカルや楽器の音の定位感、その場にいるかのようなリアルな空気感など、クリエイターの制作意図を忠実に再現するソニー独自のオーディオチューニングを実装。3.5mmオーディオジャック搭載により左右の音の混ざりを従来比で約10分の1まで低減し、有線ヘッドホンでよりクリアな音質を楽しめるほか、左右に均等に配置されたフロントステレオスピーカーでバランスの良い迫力のステレオサウンドを実現。

さらに、AI技術で高音域の表現力や微細な音の再現性が向上したDSEE Ultimateに対応。ストリーミングサービスや、ワイヤレスヘッドホンにも対応し、あらゆる圧縮音源をハイレゾリューション・オーディオ(ハイレゾ)相当の高音質にアップスケーリングして再生する。

その他にも、ソニーの提案する新たな音楽体験「360 Reality Audio」向けのハードウェアデコードを新搭載。対応コンテンツの再生時に約30%の消費電力低減を可能にし、アーティストと同じ空間にいるかのような、音に包まれる新しい音楽体験が長時間楽しめえるとしている。