新型コロナウィルスのパンデミックな状況は、ハリウッド業界も大打撃を受けている。世界的な規模で映画館といった娯楽施設の閉鎖、そして映画館鑑賞の自粛といった消費者側への規制から、今や制作側も外出制限および在宅勤務といった措置の導入により、作品の撮影の中断や無期凍結が強いられてしまった。

米国におけるテレビ番組および映画制作の現場は大抵、プロジェクト単位や時給制で仕事をする形態だ。世界的にも、ほぼすべてのテレビ番組や映画作品の制作中断が余儀なくされており、エンターテインメント業界全体で10万人を超える労働者が、給料が支払われないまま仕事を失ったと推定されている。

Netflix社のコンテンツ最高責任者であるTed Sarandos(テッド・サランドス)氏は、3月20日のブログ投稿で、同社が制作中であった番組や映画作品に関わっている労働者に緊急支援をするための1億ドル(約111億円)の基金を設立したことを公表した。 同社は先週、地域の政府の規制に準拠するために急遽、米国とカナダにおいて、すべての台本化されたテレビと映画作品の制作と準備を中断した。期間は2週間。

この制作中断をうけ、制作中の作品に関わっていたスタッフとキャスト達に対し中断期間2週間分の給与を支払うことを約束していた。また基金の救済対象となった場合は、給与とは別途に支援を受けられるという。

Netflixは自社以外にも映画・テレビ業界の支援を行っていく。具体的には、約1500万ドルの基金をサードパーティや非営利機関を介して、Netflixが大規模なプロダクション拠点を持っている国で失業中のキャストやスタッフの緊急救援用に充てる。

米国とカナダでは、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のCOVID-19災害基金、米Motion Picture and Television Fund、俳優緊急支援基金(Actors Fund Emergency Assistance)に各100万ドル、さらに加AFC(アーティスト保全)とFondation des Artistes(アーティスト財団)の2財団に100万ドルを寄付する。

我々は今まで、クリエイティブ コミュニティに支えてきてもらっている。政府が経済的支援について検討を続けているこの困難な今こそ、彼らを支援すべきです。

とサランドス氏はコメントした。Netflixが寄付した先、SAG-AFTRA財団とSAG-AFTRAモーションピクチャープレーヤー福祉基金が設立したCOVID-19災害基金では、SAG-AFTRA会員がコロナウィルス対策措置の影響で収入源を失った場合、賃貸料、住宅ローン、光熱費、医療費など生活に必要な費用の援助を受けることができる。

(ザッカメッカ)