Blackmagic Designの発表によると、フィリピンの人気番組「マグカアガウ」の撮影にBlackmagic DesignのURSA Mini Pro 4.6K G2およびATEM Television Studio Pro HDが使用されたという。ヒル・テハダ・ジュニア氏がディレクターを務める同連続ドラマはフィリピンのGMAネットワークで月曜から土曜に放映されており、これまでに約100話が放送されている。
同作は、愛、熱情、権力、復讐の物語。出演は、シェリル・クルス、アルフレッド・バルガス、サンシャイン・ディゾン、クレア・ピネダ、ジェリック・ゴンザレス。2019年10月21日にGMA 7チャンネルで初公開され、放送開始と同時に大きな反響を得て、同局の高視聴率番組のひとつとなったという。
フィリピンのテレビ業界で1996年以来35番組以上を手がけてきたディレクターのテハダ氏は、短期間に限られた予算で本作の96話を撮影する必要があった。
テハダ氏:フィリピンでの撮影は、ヨーロッパやアメリカなどでの撮影と完全に違います。予算と時間が一番重要なんです。放送日が決まっているので、撮影を開始したら躊躇している余裕はありません。創造性と機知に富み、またすばやく立ち直れる強さがある必要があります。本作のように一日に35〜40シーケンスを撮影し、週6本の放送があり、世界レベルの品質の作品を制作する必要がある場合、特に今言ったような資質は重要ですね。
同作には、連続ドラマ特有のルックに、映画のような質感を加え、ツヤ感があり、より鮮明なカラーのルックをテハダ氏は求めていた。
高品質なシネマルックを撮影でき、ISO収録、複数トラックのオーディオの収録に対応しているカメラが必要でした。また、ズームから単焦点レンズに交換でき、私がカメラマンとADと通信できるインターコムを搭載している必要がありました。スイッチャーとの使用が簡単であることも重要でした。URSA Mini Pro G2は、この全てに対応しています。局が指定する納期に間にあわせるには、汎用性が高く、すばやくセットアップできる小型のカメラが必要でした。
制作には、光ファイバーでATEM Television Studio Pro HDに接続した3台のURSA Mini Pro G2を使用された。信号は12G-SDIで送信され、各カメラでISO収録を行ない、信号は編集の下準備作業のためにキャプチャーされた。URSA Mini Pro G2では、創造性を発揮でき、あらゆることに柔軟に対応できたとテハダ氏は語る。制作はマニラ郊外で行われた。URSA Mini Pro G2は可搬性に優れており、セットアップが簡単なため、ハンドヘルドでも三脚に固定しても、必要に応じてすぐに作業できたという。
ロケでの撮影では、ほとんどの場合、カラーコレクションや事前に特定のルックを選んでおく必要があります。撮影監督、技術監督、そして私自身、カメラに内蔵された色温度設定、ティント、特定の光の色温度を調整して、日中と夜間のカラーパレットを作成しました。
オープニングは、マニラから1000キロ離れたセブで撮影しました。90年代の結婚式のシーンだったので、マジックアワーに、市街を眺めおろす丘で誓いの言葉を交わす様子を撮りたいと考えていました。
午後5時にセットアップを始めたのですが、日が沈むのが早いのでとてもナーバスになりました。撮影監督は、2台のカメラを街並みのスカイラインに向けて設置し、1台を結婚式の様子を撮影するために使用しました。15分でリバースショットといくつかの挿入ショットを撮影でき、シーケンス全体の撮影は1時間以内に終わらせることができました。URSA Mini Proの小型なフォームファクターには大変助けられました。また、構想の段階で思い描いていた通りの美しく、ロマンティックな映像が撮影できました。
「マグカアガウ」は、テハダ氏がBlackmagic Designのカメラを使用した2作目だ。同氏は、GMAネットワークの「Magpakailanman」でPocket Cinema Camera 4Kが使用された。
ディレクターとして、テクノロジーを使って自分の創造性をいかに改善できるかについて常に考えています。この6月にURSA Mini Pro G2を初めて見たときに、その資質に大変感動したんです。小型ながら、はるかに高額なカメラに搭載されているような多数の機能とテクノロジーに対応しています。例えば、異なるグラデーションのNDフィルターなどです。これは、屋外での照明条件に対処する上で非常に便利です。