アドビは、Premiere Pro、After Effects、Audition、Character Animator、Media Encoder、Premiere Rushを含むCreative Cloudのビデオ&オーディオアプリケーションの最新バージョンを提供開始した。
今回のアップデートでは、アップルProRes RAWのサポート、After Effectsの新しいクリエイティブツール、Character Animatorのワークフローの強化、Premiere ProのAuto Reframeの高速化などのパフォーマンスの向上が提供されいる。
アドビは、アップデート提供の頻度を高め、安定性とパフォーマンスの向上など、ユーザーのニーズにより迅速に対応していきたいという。今回の最新バージョンに追加された新機能とパフォーマンス強化は以下の通り。
- Premiere Pro、After EffectsでのProRes RAWサポートは、ネイティブカメラ形式から配信ファイル形式までをApple ProResで完結できる、包括的なワークフローのためのクロスプラットフォームなソリューションを提供する
- Premiere Proのグラフィックス処理が合理化された。ペンツールのベジェ曲線のサポートが強化され、ラインやシェイプをより正確に作成できるようになった。また、フィルターエフェクトには、キーフレームを設定した属性または調整済みのパラメーターを持つ属性のみが表示されるため、現在アクティブなエフェクトだけに集中できる
- Premiere Proのオートリフレームの高速化。アドビの人工知能(AI)と機械学習技術であるAdobe Senseiに基づくオートリフレーム機能は、ビデオを正方形や縦長などの異なるアスペクト比に合わせて自動的に再構成、再配置することで、ソーシャルメディアやQuibiのようなコンテンツプラットフォーム向けのワークフローを迅速化する
- Windows版の264およびH.265(HEVC)ハードウェアエンコーディングが、NVIDIAおよびAMDのGPUに対応し、これらの広く使われているフォーマットへの書き出しが常に高速化される
- Creative Cloudライブラリのオーディオファイル対応により、Premiere Proのユーザーは、頻繁に使用するオーディオアセットを保存、整理、共有し、CCライブラリパネルから簡単にアクセスできるようになる
- After Effectsのシェイプストロークの種類に「テーパー」が追加され、モーショングラフィックスアーティストがアニメーションやデザインに使えるクリエイティブオプションが充実した。シェイプレイヤーに、テーパー(先細り)、波状、尖った、または丸みを帯びたストロークを作成できる。ストロークはアニメーション化することもできるため、スタイル化されたルックの作成やモーションデザインに活用できる
- After Effectsの「同心シェイプリピータ」は、シェイプに適用するエフェクト「パスのオフセット」の新たなパラメーター。これは、パスの内側または外側に、パスのコピーを放射状に作成し、クールでレトロな雰囲気を持つファンキーなデザインを実現できる
- エミー賞を受賞したCharacter Animatorの「オートトリガー」機能強化と、タイムラインのフィルタリング機能により、アニメーションワークフローの効率が向上した
- macOS版製品にオーディオハードウェア自動切り替え機能が搭載された。対象は、After Effects、Media Encoder、Audition、Character Animator、Prelude、Premiere Pro、Premiere Rush。オーディオデバイスの変更やヘッドフォンの接続など、オーディオ関係のハードウェアの切り替えをOSが認識し、アドビのアプリケーションも自動的に現在のハードウェアを使用するようになる
- Premiere Rushユーザーは、FacebookやInstagramの動画のフォーマットに合わせて、プロジェクトのサイズを自動的に4:5のアスペクト比に変更することができるようになった。また、iOSデバイス上での背面カメラ切り替え機能(iOS 13以降が必要)により、背面カメラからPremiere Rushへの取り込みが可能となり、シャッターチャンスを逃さない。iOS版だが、Premiere Rushのメディアブラウザーにファイルアプリから直接メディアを読み込む機能が追加され、デバイス上のファイルや、別のクラウドサービスに保存されたファイルへのアクセスが簡単になった